高林輝行容疑者石戸諭氏「失態と言わざるを得ない」東京・福生市 ハンマー男が逃走中 突入まで4時間半 警察の初動対応とバイアス

東京・福生市で発生した立てこもり事件で、容疑者が逃走してから約30時間が経過している。「通報から突入まで約4時間半」「突入から住民への注意喚起まで約3時間」。

警察の対応に生じたこの大きなタイムラグはなぜ起きたのか。

元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之氏の解説を交え、警察の初動対応の課題と逃走中の容疑者の行方について検証する。

(30日午後2時現在の情報です)
事件は午前7時20分ごろに発生した。高林輝行容疑者(44)が少年のこめかみ付近をハンマーで殴り、かけつけた警察官らに農薬のようなものを散布した結果、5人が重軽傷を負った。
高林容疑者は身長約173センチのがっちりとした体格で、髪型は丸刈り。上下グレーのスウェットを着用し、手には黒色のバッグを所持している。

高林容疑者は、2年半ほど前にも騒音を巡るトラブルから斧を使って少年を襲った過去があるという。

逃走から約30時間が経過しても逮捕に至っていない現状について、鳴海氏は容疑者が生活圏内に潜伏している可能性が高いと指摘する。

「交友関係を調べてみて、友人であるとか、あるいは馴染みの店があるとか、そういったところに潜伏している可能性が高いのではないか」と推測。

公共交通機関の防犯カメラに姿が確認できなければ遠くへは移動できず、生活圏内から抜けて全く知らない場所へ行くのはリスクが高いため、遠方へは逃亡していないだろうと分析している。
事件の時系列を見ると、午前7時20分ごろの通報後、警察が家に突入したのは正午過ぎであり、およそ4時間半が経過していた。

しかし、防犯カメラの映像などから、容疑者は午前8時前にはすでに裏口から逃走しており、突入までの間、家にはいなかったことが判明している。
なぜ警察は裏口からの逃走を防げず、突入までにこれほどの時間を要したのか。鳴海氏は、初動対応におけるけが人の救護優先と、警察側に生じた「バイアス(先入観)」が原因であると語る。

通報を受けて最寄りの交番やパトカーが現場へ向かっても、動員できる人数には限りがある。さらに、警察官や高校生が負傷している状況下では、まず救護を優先せざるを得なかった。

その上で、「家の中に一回入ったんだから、そこから出てくることもないのかなという、先入観がある種、バイアスがかかっていた部分もあると思う」と鳴海氏は指摘する。

容疑者がサバイバルナイフや農薬のような凶器を所持しているため、装備なしで飛び込むのはリスクが高く、特殊部隊などの応援を待つ判断に至ったという。

また、SIT(捜査一課の特殊部隊)の到着に時間がかかった点については、事件当日が休日だったという条件が影響していると分析する。休日に招集された隊員が装備品をトラックに積んで現場の福生市まで移動し、さらに突入計画を策定してから実行に移すプロセスを踏むため、4時間から4時間半ほどかかるのは実務上、理解できる範囲だという。

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