2013年、北海道のデパートで、展示品の金の仏具を45歳の主婦が盗み逮捕された-そんな事件に着想を得たクライムコメディー「黄金泥棒」。舞台を福岡に移したこの作品で主人公の美香子を演じたのは、福岡県久留米市出身の田中麗奈さんです。さて、映画の見どころは…。(古賀英毅)■映画「黄金泥棒」で主演の田中麗奈さん【別ポーズ写真】
★田中 美香子って、感動や自分の好きなものが分からないという毎日を繰り返し、閉へい塞そく感がある孤独な印象でした。そんな美香子が「金」というものに出合ってから目的を持ったり、夫と協力したりし、金の茶わんを盗む計画を立てます。もちろん泥棒は良くないことですが、人とのつながりや目標、計画など全てが刺激になり、「行動することが好きなんだ」という眠っていた自分が出てくる感じがして、そこが好きです。
★田中 閉塞感があった前半から、大胆な行動をしてメラメラ燃えたぎっている後半へと変わっていくところがすてきなんですが、同一人物として「美香子だったらこう変わるよね」という根っこの部分を意識していました。
★田中 劇中のプロフィル映像でも分かるのですが、元々は「世のため人のためになりたい」という積極性も向上心もある女性だったんですよね。だけど両親から「『普通』が一番幸せだよ」と言われ、それを受け入れてしまった。生まれ育った福岡から外に出ず、思っていた人生とは違うところを生き、気がついたら無感動になっていた人なんです。
★田中 「女性はこうあるべきだ」「いい奥さんであること」「『普通』であること」に彼女は固められ、それを自身も受け入れた。そういう女性はもしかしたらたくさんいらっしゃるのではないかと思います。私自身「地元で『普通』に暮らすのが幸せ」ということになっていたら、精神的に苦しみ、つらかったと思います。
★田中 カメラマンの宗大介さんも久留米出身で、現場では九州弁が飛び交っていました。私の最初の撮影は福岡市・天神の大丸のパサージュ広場を歩くシーンで、「福岡の中心地で撮影できるってすごいな」と思いました。