睡眠薬で昏倒させ絞殺する食人鬼、ハンマーで次々と殺害する連続犯、優しい父親だったはずの殺人鬼…。世界を震撼させた猟奇殺人事件の裏側には、犯人が個人的に抱える問題のみならず、警察の失態や社会の歪みも潜んでいることも…。Netflixで観られる、戦慄の実録ドキュメンタリーを厳選して紹介する。第5回。(文・灸怜太)
【作品内容】
アメリカ・カンザス州ウィチタで1974年から30年以上に渡って殺人を繰り返し、その犯行の詳細を書いた声明文を新聞社やテレビ局などに投稿。
自らを、Bind(縛る)・Torture(拷問)・Kill(殺す)の頭文字を取った「BTK」と名乗り、全米を恐怖に陥れた。
警察の必死の捜査でも犯人像は特定できず、事件は迷宮入りとみられたが、2005年に突如として事態が進展し逮捕。犯人は地元で良き父親として振る舞っていたデニス・レイダーだった。
【注目ポイント】
判明しているだけでも10人を誘拐、拷問、殺害し、史上最悪のシリアルキラーとして歴史に名を刻んだ「BTK」。
その正体は、どこにでもいる普通の男として地域社会に溶け込んでいたデニス・レイダーだった。
本作では、彼の実の娘であるケリー・ローソンにインタビュー。
事件のあらましを追いながら、家庭でのデニス・レイダーの様子や、事件発覚後に「BTKの娘」として非難された日々を告白する。
ケリーはBTKの逮捕から10年ほどは口を閉ざしていたが、そのトラウマを解放するべく本を執筆。
やがてBTKの余罪を調べるために、獄中の父と直接対話することになる。
愛する父親が悪魔だと知った実の娘がどのような心情になるのかを追った、貴重な映像資料といえる。