〝ゴルフの祭典〟マスターズ・トーナメントの開幕を4月9日(日本時間同日夜)に控え、世界に衝撃が走った。男子で元世界ランキング1位のタイガー・ウッズ(米国)が自動車事故を起こし、アルコールまたは薬物の影響下で車を運転した疑いで逮捕された。もう何度も運転トラブルを起こしており、事態を深刻視する向きもある。最近は米男子のPGAツアーの運営にも一役買って未だに影響力は抜群だが、本業ではプレーから遠ざかっており、落日の感は否めない。
今回は3月27日に米フロリダ州ジュピターで自宅近くを運転中、トラックに接触して自身の車は横転した。目立った負傷はなく、捜査当局によると呼気検査でアルコールは検知されなかった。ただ、尿検査は拒否して逮捕。数時間後に釈放されたが、報告書によると、ポケットには麻薬性鎮痛薬の「ヒドロコドン」の錠剤が入っていた。公開された事故後の映像では、実際に逮捕されるスーパースターの姿が映し出され、波紋が広がった。
けちのつき始めは2009年11月下旬。午前2時半頃、自宅近くで運転する車が消火栓と木に衝突した。警察が到着したとき、道路に横たわって意識がもうろうとしていたという。この事故を発端に複数の女性との不倫疑惑が発覚し、一大スキャンダルに発展。翌2010年には妻との離婚を公表した。この年はプロ転向後初めて、米ツアーで優勝なしに終わった。2017年は道路脇に止めていた車の中で、エンジンやウインカーをつけたままで寝ているところを発見された。今回と同じようにアルコールまたは薬物の影響下で運転したとして逮捕。のちに有罪判決を受けた。2021年2月には単独事故で右脚を粉砕骨折。捜査当局によると、制限速度を大幅に上回るスピードが出ていたことが原因で、競技生活に多大な支障を来した。
4度目の今回、ウッズはX(旧ツイッター)で当面、活動を休止すると表明した。事情はどうであれ、危険な運転は他人を傷つけてしまう恐れがある。マスターズと全英オープン選手権を3度ずつ制したニック・ファルド氏(英国)はこう語った。「タイガーが常に苦痛の中で生きているのは気の毒だが、自業自得でもある。彼がやってしまったことは重大な問題で、説明責任がある。両手を広げて復帰を迎え入れるべきではない」と指摘。以前より風当たりが強くなっている様相を呈している。