カンボジア、各国から圧力受け詐欺拠点の摘発強化…関与疑いの外国人13万人出国

国際的な詐欺拠点と指摘されるカンボジアが「詐欺撲滅」を目標に摘発を強化している。詐欺への関与が疑われる外国人の出国者数は、今年だけで10万人を超えた。政権中枢と詐欺組織の癒着も指摘される中、構造的な問題にメスを入れられるかが焦点となっている。(プノンペン 竹内駿平、写真も)【写真】プノンペンの大使館前で手続きを待つインドネシア人ら
3月下旬、首都プノンペンの工場で300人超のインドネシア人が寝転んでいた。カンボジアの詐欺拠点で活動していた元「かけ子」たちだ。工場は不法滞在の罰金や帰国費用が準備できるまでの待機場所として、インドネシア大使館が借り上げている。
ハンディカと名乗る元配送員の男(28)は昨年末、知人の勧めでスマトラ島北部からカンボジアに渡航し、南部カンダル州のカジノを拠点に母国に投資詐欺の電話をかけていた。報酬は月600ドル(約9万5000円)で渡航前の収入の3倍。拠点は中国人が仕切り、誘い文句を誤ると指導役のインドネシア人に殴られた。一帯の摘発が進んだ今年1月、大使館に逃げ込んだ。「後悔している。普通の生活に戻りたい」
米平和研究所の2024年の報告では、カンボジアを拠点とする架空投資やロマンス詐欺などによる不正収益は年125億ドル(約2兆円)超とされ、被害は欧米やアジア一帯に及ぶ。
各国の圧力を受けたカンボジア政府は昨年以降、摘発を強化した。今年だけで詐欺拠点約200か所を摘発し、3500人以上を拘束、関与が疑われる外国人計約13万人が出国した。
拠点から逃れた外国人は各国の大使館に押し寄せている。インドネシア大使館は今年、6000人超を受け入れた。日本の外交関係者も「助けを求める人は連日来る。摘発強化の効果が出ている」と語る。
カンボジア政府は1月、組織的詐欺の疑いで米英が制裁対象としたカンボジア最大級の複合企業「プリンス・ホールディング・グループ」創業者の中国人チェン・ジー氏を強制送還した。今月1日には同社傘下の「フイワン」元会長の中国人も中国に送還した。

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