10年前、20年前、30年前に『FRIDAY』は何を報じていたのか。当時話題になったトピックを今ふたたびふり返る【プレイバック・フライデー】。今回は10年前の’16年4月1日号『近所の住民、知人1000人を超えるDNA照合で判明 25歳劇団員をストーカー殺人「無職男の歪んだ性欲」』を取り上げる。【画像】むごい…「中野劇団員女性殺害」25歳の被害者が女優への夢を絶たれた“凄絶現場”’15年8月に中野区のマンションの一室で一人暮らしの劇団員女性・Kさん(25)が無惨にも殺害された事件で、警視庁は’16年3月12日に福島県の実家にいた無職・高山康祐(仮名・37)を逮捕した。面識がなかったという2人の間に何が起こったのか──(《》内の記述は過去記事より引用、肩書は当時のもの)。
逮捕は警察の執念が実った結果だった。’16年4月1日号の記事では、捜査の様子を全国紙社会部記者が次のように証言していた。
《「2月下旬から『中野の事件はそろそろいけるんじゃないか』という話があった。被害女性の遺体からは爪から検出された皮膚片のほか、口や胸元から唾液が検出されており、これまで事件後に引っ越しをした人間も含め、1000人以上の近隣住民にDNA照合を行ってきた。その中で事件当時、現場から300mほど離れた場所に住んでいた容疑者も浮上し、DNAの型が一致したことで逮捕に踏み切った」》
高山は当初は「被害者をまったく知らない」と供述していたという。だが、逮捕翌日には一転して犯行を認めた。
《「高山容疑者は帰宅途中のKさんの後をつけ、マンションに忍び込んだ。『LINE(のID)を交換しよう』と声をかけたところ、驚いて逃げたため、そのまま部屋に侵入。抵抗されたために手で首を絞め、部屋にあったひも状のもので絞殺したと供述しています」(捜査関係者)》
高山は福島県で祖父の代から会計事務所を営む裕福な家庭に生まれた。おとなしい性格で目立つ子ではなかったという。高校時代の成績は優秀だったが、大学受験に失敗。上京して税理士を目指したものの挫折したようだ。都内でカラオケ店やゴミ収集などの仕事を転々とし、事件直前までは不動産仲介の会社で営業の仕事をしていた。記事ではその当時の高山容疑者の様子を友人が語っていた。
《「営業成績が悪いことに悩んでいました。よく『客の顔が覚えられないんだ』と言っていた。給料は出来高払いで、月数万〜18万円程度だったそうです。節約のために、カップラーメンばかり食べていると言っていた。事件の3ヵ月前には、会社を辞めていました。3〜4年前からつきあっている彼女がいて、結婚して義父の仕事を手伝うと言っていました。飲食やテレビ番組制作の下請けなど手広く事業をやっているそうです」》
だが、実家に帰った高山容疑者には「結婚する彼女」も「手伝うはずの仕事」もなかったようだ。’16年の1月に地元の集まりで会ったという中学時代の同級生は、そのときの彼の様子について《「変わったところはなく、普通に飲んでいた。帰り際にみんなに『仕事を紹介してほしい』と声をかけていました》と話していた。
宮城県から上京。女優を夢見て劇団に入り、かわいらしさと素直な性格で人気が出始めていたというKさんと、東京での生活に見切りをつけて福島の実家へ戻った高山容疑者。面識がなかったという2人の人生は偶然にも最悪の形で交錯し、悲劇を招いたのだった。
高山容疑者が犯行に至った経緯は、その後の裁判で明らかになる──。