《3月末で閉店》北島三郎の衣装から“刑務所の中”のヤクザの服まで…歌舞伎町の老舗クリーニング店主が語る驚きの顧客たち

今年3月末に閉店する、新宿・歌舞伎町の老舗クリーニング店「白光舎」。70年以上にわたりこの地で営業を続けてきた同店には、歌舞伎町の混沌を象徴するような衣類が日々持ち込まれていたという。【写真を見る】若かりし頃の三恵さんや「白光舎」のクリーニング機材の様子
明かされたのは、大物歌手のステージ衣装から、指名手配犯の来店、さらにはヤクザ絡みのトラブルまでと幅広い。昭和から平成にかけて、激動の歌舞伎町を生き抜いた老夫婦が明かす、驚きの逸話の数々をお届けする。【全3回の第2回。第1回から読む】
昭和後期、歌舞伎町は新宿コマ劇場やミラノ座といった施設がけん引し、人であふれ、すぐに飲食店や風俗店も増加した。それとともに「白光舎」には、劇場関係者からの衣装や制服が大量に持ち込まれることも多くなったという。仕事量とともに従業員も増加し、最盛期では10人に増えたこともあったという。同店を営んできた、矢崎三恵さん(78)が回想する。
「以前は母親が店先に立っていたのですが、劇場に勤務する若い従業員が制服を大量に持ってきてくれて、お腹を空かせた彼らにおにぎりなんかを渡すことがあったそうです。母が引退してから、年配の方が『先代にお世話になりました』とお店に挨拶に来たことがあったのですが、その方はミラノ座の親会社である東急の社長さんになっていて驚きましたね」

 新宿コマ劇場を象徴するような人物のステージ衣装が持ち込まれたこともあった。三恵さんが続ける。

「演歌歌手の北島三郎さんのステージ衣装もクリーニングしたことがありました。もちろんご本人ではなく、マネージャーさんや衣装関係者が持ち込んでくれたんですけど、立地もあってか、当時はコマ劇場に出演する方や関係者の衣装もよく手掛けました」

 新宿コマ劇場は2008年に取り壊され、「TOHOシネマズ新宿」へと姿を変えた。噴水があり「コマ劇前」と称された新宿コマ劇場前広場も「トー横」と称されるようになり、”居場所”を探し彷徨う未成年の男女たちが集う場所へと変貌していくことになる。

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