3月20日2時20分ごろ、三重県亀山市の新名神高速道路下り車線の野登(ののぼり)トンネルで計6人が死亡する多重事故が発生した。三重県警は、広島県安芸高田市に住むトラック運転手・水谷水都代容疑者(54)を現行犯逮捕。自動車運転処罰法違反(過失致死)の疑いで捜査が進んでいる。【写真】「未亡人かなにかかと…」「親子3人暮らし」6人死亡事故を起こした水谷水都代容疑者の生家、家宅捜索が行われた営業所ほか
事故当時、トンネルでは道路工事に伴う渋滞が発生していた。容疑者は最後尾にいた乗用車に追突し、さらに別の乗用車と大型トレーラーを巻き込んだ。事故はどのようにして引き起こされたのか。大手紙在阪記者の解説。
「当時、野登トンネル付近は工事による車線規制で、制限速度が50キロに規定されていた。容疑者はこの制限速度を超過して走行していたとみられる。本人は逮捕後の調べに『休憩しながら走っていた。そんなにスピードは出していなかった』と話している一方、『前を見ていなかった』など不注意だった旨の供述もしているといいます。県警は勤務状況や車両の整備状態などが事故に影響したかどうかを含め、捜査を進めている」
追突後、トンネル内では火災も発生。現場は大惨事となった。
「被害者の中には、車外に吹き飛ばされた状態で見つかった方もおり、追突による相当な衝撃があったと思われます。被害者のうち3人は子どもでした。
焼け跡から発見された遺体もあり、6人の身元や死因の特定が難しい状況とみられる。県警は被害者のDNA鑑定を行う予定ですが、特定は4月以降にずれ込む見立てです」(同前)
水谷容疑者は広島市安芸区生まれ。勤務先である同市の運送会社「HIROKI」には5年ほど前に就職し、それ以前もトラック運転手をしていた”ベテランドライバー”だった。広島市の別の運送会社の社員が、女の勤務先の評判を語る。
「もともと〇〇運送にいらっしゃった方が独立して、『HIROKI』ができたと聞いています。社長さん同士が同級生なんですよね。〇〇運送に配送をお願いしたら『HIROKI』の車が来ることなどもありましたから、業務上、お互いに融通していたのではないでしょうか。
勤務超過や過重労働などの噂は聞いていません。今回の女性の名前も知りませんでした。労働環境が悪かったら、このあたりでもとっくに噂になっていますよ」
3月21日、三重県警は「HIROKI」の関係先を家宅捜索。この際に同社の社長が報道陣の取材に「申し訳ないでは済まされないが、できることから対応していきたい」などと謝罪の意を示した。
「水谷容疑者は事故直後、社長に電話をかけたそうですが、動揺していて内容が支離滅裂だったといいます。捜査関係者によれば同じ頃、親族にも『これからどうなるかわからない』などと連絡をとったが、この際も狼狽した様子だったとか」(前出・在阪記者)
取材班は事件後、「HIROKI」の営業所から北に車で50分ほどの場所にある、水谷容疑者の生家を訪れた。瓦屋根の一軒家で、表札には両親と思われる名前と、容疑者本人の名前が記されている。2日連続でこの家を訪れたが、親族に取材することは叶わなかった。
近所に40年近く住むという男性はこう話した。
「(水谷家は)30年前くらいにここに住み始めたと思います。娘さんがいらっしゃって、ドライバーをしていたのは聞いたことありましたが、直接は知らんのですよ。独り身なので未亡人かなにかと思っとったくらいで……。
ご両親と3人で住んでいて、覚えている限り5年くらい前はここから通っていたようですが、最近はわからないです」
悲惨な大事故はなぜ起きてしまったのか。原因究明が待たれるところだ。
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