<北朝鮮内部>「3日連続無断欠勤は炭鉱や建設現場送りです」 通勤統制の担当は警察から労働局へ 職場離脱をデジタル管理

北朝鮮では、家庭の主婦や老人、疾病の人など除き、原則として成人は当局が定める配置先に出勤しなければならない。病気などの正当な理由なく欠勤する者は「無職者」「職場離脱者」として処罰対象となる。その取り締まりは従来、安全局(警察)が担当してきたが、最近になって、人民委員会(地方政府)が管轄するようになったという。なぜなのか? 咸鏡北道(ハムギョンブクト)に住む取材協力者が3月上旬、新しい出勤管理の実情について伝えてきた。(洪麻里/カン・ジウォン)【北朝鮮秘密撮影】 動員される女性たち
出勤管理の管轄が警察から労働局に移管したこと事情について、取材協力者は次のように述べた。

――これまで欠勤者にはどのような対応だったのですか?
病気や家庭の事情などの理由なしに無断欠勤が3日続いた場合、出勤拒否者とみなして職場が安全局に通知していました。銃を持った安全局の機動隊が(自宅などを)探し回って捕まえて連れて行きました。逮捕令状もなしです。年端もいかない若造の安全員(警察官)が、まるで家畜を引っ立てるように連れて行くので抗議や批判が多かった。職場登録すらしていないような場合は、すぐに炭鉱や建設現場や農村に送って、働かせていました。

――それがどう変わったのですか?
今は、人民委員会の労働局がコンピューターで出退勤を管理するようになりました。無断欠勤が3日続いたら、自動的に当局が送りたい場所(人員が足りない職場)へ配置する仕組みです。

今回の処置の目的は、(以前の警察による強権的な手法に対する)不満を減らすためだという話もあります。同時に、(当局が)体系的に出勤を管理しようという動きなので、皆引っかからないように用心しています。
北朝鮮では従来、職場の出退勤状況を企業所が毎日安全局に報告し、安全局が無断欠席者を処罰する方法をとってきた。「苦難の行軍」と呼ばれた90年代中盤からの社会パニック期には、職場への出勤が有名無実化し、賄賂を使って職場を抜けて商売に活路を見出す人が続出した。

金正恩政権はここ数年、個人の経済活動を厳格に統制しつつ、住民たちに職場を定めて出勤するよう強いてきた。出勤不良者に対しては、配給のカットや国営の食糧専売店「糧穀販売所」での販売量を制限するなどのペナルティを導入している。

協力者によれば、職場に賄賂を払って「出勤したことにしてもらう」ことも難しくなったという。

「賄賂を使って処罰を免れたということが発覚すれば、(肉体的により)しんどい現場へ送られる。その場合は、すぐに戻ってくることもできないそうだ」と話した。

出勤管理の管轄が警察から地方政府に移り、強引な検挙手法が緩くなった半面、職場に縛り付ける方法は、よりシステム化した。住民たちが、国家の統制外で商売や仕事をして現金を得る余地は、ますますなくなっているのが現状だ。

なおアジアプレスでは、今回、北部を除いた地域での調査はできておらず、全国的な取り組みであるかどうかは確認できていない。

※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

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