毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season24』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が1年ぶりに帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、最終話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【写真】杉下右京×亀山薫コンビが最強…貴重な劇中カットはこちら。『相棒 season24』最終話劇中カット一覧
亀山薫「どうして俺、特命係で続いたんだろ? 右京さん、今よりもずっと意地悪だったのに…」
『相棒 season24』第19話「暗闇の鬼」は、人間の疑り深さと組織内の駆け引きを描いた見応えのある一話だった。
脚本は今期3本目となる輿水泰弘。
監督は今期9本目の橋本一。
初回前後編と第11話に続き、メインライターとメイン監督がそろう形となった。また本作は、『相棒』シリーズでは初めて、2時間SPや前後編ではなく、通常回よりやや長い拡大スペシャルという形で最終回が描かれている。
物語は、闇バイトを利用した連続窃盗事件から始まる。そんな中、私立探偵・岩橋虔矢(石黒賢)の自宅だけが未遂に終わっていた。
岩橋は27年前、亀山薫が配属される以前の特命係に半年間所属していた人物。その縁から、岩橋は特命係に捜査を依頼する。
そして彼は、自身を特命係送りにした因縁の相手であり、次期警視総監に内定している叶(堀部圭亮)とその関係者が犯人ではないかと打ち明ける。
本作の見どころは大きく2つ。
1つ目は、輿水脚本らしい“悪魔の証明”と、人間の本音と建前が絡み合う展開だ。
岩橋は、叶から過去にパワハラを受けていた。そこで叶を呼び出し、当時の録音音声を聞かせる。
その後、叶は音声が流出することを恐れ、総理秘書官にデータの回収を依頼する。さらにコピーの存在を疑い、内閣情報調査室にも火消しを依頼していた。
しかし実際には、岩橋はコピーなど取っていなかった。叶を呼び出して音声を聞かせたのも、当時のことについて謝罪の一言が欲しかっただけだったのだ。
それでも叶は、岩橋の「コピーはないし週刊誌に売るつもりもない」という言葉を信じることができなかった。反社会勢力を利用し、内閣情報調査室にまで火消しを依頼するなど、自ら疑念を膨らませていく。
その結果、社美彌子(仲間由紀恵)、衣笠藤治(杉本哲太)、甲斐峯秋(石坂浩二)ら警察上層部に音声の存在を知られることとなり、本来存在しなかったはずのコピーまで作られてしまう。さらにそれが週刊誌に持ち込まれ、報道へと発展していく。
そして叶は、勘違いしたまま岩橋を逆恨みし、殺害しようとして逮捕される。まさに身から出た錆、因果応報としか言いようのない、あまりにも悲惨な末路だった。
また、叶を追い落とした彼らも決して善人ではないという点も、実に『相棒』らしい。衣笠は何も知らない状態から、岩橋の背後にいる黒幕だと叶に疑われる。それが発端で情報を掴み、音声データを入手。
社は叶を庇うふりをしながらコピーを作成し、週刊誌に売り渡す。さらに「特命係相手に無傷では済まない」として、隠蔽工作に関わった人物の逮捕も含めて承諾させた(なお社自身も、過去に叶からセクハラを受けていたことが明らかになる)。
峯秋に至っては、表向きは衣笠と組んで次期警視総監を守る姿勢を見せながら、裏では社の隠蔽工作の実行犯として暗躍する。
社や衣笠の暗躍はいつものことだが、近年は好々爺としての側面が強かった峯秋がこのような立ち回りを見せたのは、非常に見応えがあった。
ちなみにオールドファンとしては、社たちがリークした週刊誌が「フォトス」だった点も印象深い。フォトスはS15〜S19まで準レギュラーとして登場した風間楓子(芦名星)が所属していた出版社である。
演じていた芦名星の訃報以降、風間の登場はなくなり、フォトスの存在も作中から消えていた。しかし今回、風間への直接の言及こそなかったものの、美和子や特命係が訪ねた場所として登場したことに、強い縁を感じた。