北京で開会中の全国人民代表大会(全人代=国会)で採択する中期経済目標「第15次5カ年計画」に合わせ、香港政府は初めて独自の5カ年計画を策定し、本土との一体化が進む。李強首相は全人代で「愛国者による香港統治の原則を徹底する」と強調。当局が香港国家安全維持法(国安法)などで締め付けを強める中、主要な民主派政党は昨年までに消滅し、言論の自由も大幅に制限されている。■高市氏への感謝の言葉がプリントされている「台日友好チョコ」【写真】7日午前、香港代表団の会議に出席した丁薛祥筆頭副首相は「香港は国際金融、貿易センターとしての地位を向上させ、長期繁栄と安定に努めなければならない」と述べた。
香港では2019年の反政府デモを受けて国安法が制定された。2月には高等法院(高裁)が、国安法違反罪などで有罪判決を受けた民主派香港紙、蘋果(ひんか)日報(リンゴ日報=廃刊)の創業者、黎智英氏に懲役20年を言い渡した。黎氏は民主化運動の象徴的な存在で、懲役20年は国安法事件の量刑としては最長。中国メディアによると、香港当局は国安法施行から5年間で332人を逮捕したと昨年6月に明らかにしている。
同11月に高層住宅群で168人が死亡した火災を巡り、政府の責任を追及する署名活動をした大学生は逮捕され、大学を退学処分となったと報じられた。
香港の立法会(議会)は、21年に「愛国者」だけが立候補できる制度を導入。25年の立法会選挙は民主派だけでなく、中間派の候補もいなかった。同12月には唯一残っていた民主派政党「民主党」が解散した。
かつては本土よりも幅広い自由があった香港。当局の弾圧を背景に、これまで多くの人が国外に逃れた。民主派の元支援者で今は台湾で暮らす30代男性は「香港経済は不況で繁栄しているとは思えない。民主主義も自由もない。安定しているのではなくて逮捕が怖くて批判できないだけだ」と話している。