少女への性的虐待などの罪で起訴され、2019年に自殺した米富豪ジェフリー・エプスタイン氏。彼と各界要人の関係を明かした捜査資料「エプスタイン文書」の詳細が公開され、その衝撃が各方面に及んでいる。【画像】性的な内容を含んだメール2月19日には、英国のアンドルー元王子が「公務上の不正行為」の疑いで逮捕された。マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏もエプスタイン氏との関係が報じられ、ゲイツ財団の職員に対して謝罪。クリントン元大統領も、下院委員会で「犯罪は一切知らなかった」と釈明する事態になっている。
膨大な量のエプスタイン文書。その中にある140万通の電子メールを解析し、米史上最大の性犯罪者の実像に迫った 英「エコノミスト」誌のレポート全文 を、月刊「文藝春秋」4月号で紹介している。
エコノミスト誌は、ソフトウェア技術者のグループと共同で電子メールの分析を進め、資料内にある表記の揺れや複数のメールアドレスを統合して、固有の個人にひも付ける作業を実施。最も頻繁に登場する500人の経歴を調査した。
〈電子メールから浮かび上がる人脈には目を見張るものがある。頻出上位500人の通信相手は、様々な業界に属しており、全体の19%は金融関係者とのやり取りだった。科学者や医師が10%、メディア・エンターテインメント・広報関係が8%、テクノロジー分野が7%を占めた。弁護士、政治家、学者、その他の実業家はそれぞれ6%、不動産業界の大物は5%だった。金融関係者の割合は2014年に25%でピークに達したが、その後は学術界や法曹界との接点が増えるにつれ低下している〉
誌面では、エコノミスト誌が作成したジャンル別の受信者数の図、さらには、リスト上位の著名人とエプスタイン氏の送受信数の比較、メールのやり取りが発生した時期をグラフ化して検証している。
米国司法省が公開した300万ページ超の捜査資料のうち、分析するにあたり最も障壁になっているのが司法省によって行われた「黒塗り」だ。特定の個人の名前や連絡先、やり取りの一部が被害者のプライバシー保護や国家安全保障を理由に隠されている。
〈エプスタインと、氏名が黒塗りされた女性との間には性的な内容を含むメールが存在し、しばしばヌード写真の要求もみられる。なかには、親にみつからないよう配慮する旨の言及もあった。(略)黒塗りされた送信者からのあるメッセージには、次のように書かれている。
「楽しい夜をありがとう……君の小さな女の子はちょっとおてんばだった」〉
英「エコノミスト」誌による論考「 エプスタイン『性犯罪者の実像』 」は、月刊「文藝春秋」4月号(3月10日発売)及び、月刊「文藝春秋」のウェブメディア「文藝春秋PLUS」(3月9日先行公開)に、図表入りで掲載されている。