毎週水曜夜9時より放送中のドラマ『相棒 season24』(テレビ朝日系)。国民的人気を誇るご長寿刑事ドラマの“黄金コンビ”が1年ぶりに帰ってきた! 杉下右京(水谷豊)×亀山薫(寺脇康文)が、共に事件を追う。さっそく、第17話の内容を振り返っていこう。(文・Naoki)【写真】杉下右京×亀山薫コンビが最強…貴重な劇中カットはこちら。『相棒 season24』第17話劇中カット一覧
??「父さん、杉下右京は気付いているでしょうか。僕たちに――」
『相棒 season24』第17話「惡の芽」は、ファン待望の“宿敵・南井十”編の続編である。
脚本は今期第3話「警察官B」以来となる徳永富彦。S16から続く南井編を、約2年ぶりに本格的に描いた。
監督は田村孝蔵。犯人の過去回想に現在の右京を重ねる舞台的演出は、宿命の対峙を強調する見応えある仕上がりだった。
物語は、人気漫画の原作者・倉石の葬儀から始まる。
倉石は毒と遺書を用意し、服毒自殺したと見られていた。しかし特命係は、編集者の湯田(オラキオ)、作画担当の明智(福本伸一)、アシスタントの藤作(松本享恭)の3名に疑いの目を向ける。
捜査が進む中、なぜか亀山薫の命を脅かす出来事が相次ぐ。
事件の裏に潜む、より大きな“悪意”の存在が浮かび上がっていく。
本作の見どころは大きく2つ。
1つ目は、漫画制作を巡る犯人たちの醜悪さだ。
編集者・湯田は能力不足から異動寸前だったところを倉石に救われた人物である。しかし次第に「自分が作品をコントロールしたい」という欲望に取り憑かれ、明智と藤作を巻き込み倉石を殺害する。
恩人を裏切った湯田は、最終的に共犯者からも裏切られる。まさに因果応報の結末だ。
利益、利権、名声――欲に目が眩むことは誰にでもある。だが、ここまで露骨に“恩を仇で返す”構図は、『相棒』の中でも珍しい。
被害者が必ずしも善人ではないケースも多い本作において、善人が徹底的な悪意に踏みにじられる展開は異質に映る。
湯田は涙を流しながらも、口にするのは後悔ではなく「俺は悪くない」という自己正当化だけだった。救いのない犯人像である。
右京が激怒するのは当然だが、亀山が「残念だ」と言い放つ場面も印象深い。
亀山はこれまで、どうしようもない人物に対しても真摯に向き合ってきた。その彼が見限ったことに、この事件の醜さが凝縮されている。
さらに名前の仕掛けも興味深い。湯田(ユダ)、明智(光秀)、藤作(“とうさく”)と、裏切りを連想させる命名が並ぶ。脚本の遊び心が効いている。
湯田を演じたオラキオの熱演も特筆に値する。右京と対峙し、自己中心的な正義をまくし立てる姿は迫力十分。芸人枠という先入観を軽く覆す演技だった。