内藤寛己容疑者《夜中にサイレンの音で起きた、あれは放火だ》「坪単価10年で倍増」武蔵小山の“放火地上げ”で逮捕者、地元不動産関係者が語る「不自然な管理地看板変更」と「立ち退き交渉難航の裏側」

放火された住宅のポスト部分は黒く焼け焦げ、後日になって新たに火が出た隣のアパートは規制線が張られたまま残っていた──。【写真】現場には放火で焼けこげたポストが…規制線で囲まれたアパートも
警視庁は2月20日、昨年秋に東京・品川区の武蔵小山で起きた2件の放火事件に関与したとして不動産会社従業員の内藤寛己容疑者(31)ら6人を非現住建造物等放火などの疑いで逮捕したと発表した。

「バブル期ならともかく、防犯カメラが多数設置されている令和の時代に、あれほど露骨な脅迫はリスクでしかない。真っ先に疑われるので、さすがに不動産業者の犯行ではないと思っていましたが……。逮捕の報道を聞いてとても驚きました」(近隣の住民)

 近隣住民がそう語るように、事件の背景には強引な土地買収の影がちらつく。全国紙社会部記者が解説する。

「警視庁は今回の放火について、土地の買収を進める”地上げ”の過程で起こした犯行と見ています。放火が起きた一角は買収交渉が進んでいる区画で、一部所有者とは立ち退き交渉が不調でした。容疑者らは住宅のポストや空きアパートに放火し、恐怖心を抱かせて立ち退き交渉を有利に進めようとしたと思われます」
放火現場は東急・武蔵小山駅から歩いて5分ほど。昔ながらの街並みを残した商店街の通りから少し奥に入った住宅地の一角にあった。現場近くに住む70代女性はこう話す。

「昨年に1度目の放火事件が起きた際は、夜中にサイレンの音で目覚めたくらいだったから、消防車の印象が残っています。ところがそのすぐ後にアパートから火が出た後は警察の人たちが聞き込みに回っていたので、警察官の印象が強いの。事件性があるのかなと思っていました。武蔵小山は意外とのんびりした街で、大きな事件が起きた記憶もないので驚いています」

 実際に住民の間では昨年末から放火の噂が出ていたという。別の住民はこう話す。

「昨年の10月、11月と立て続けに火事があった後、夜に警察官が巡回に来るようになったんです。町内会の一部の方は11月の2件目の時点で『あれは放火だ』と聞いていたようで、そんな話が出回っていました」

 放火された周辺では立ち退き交渉が進んでおり、放火現場近くの商店街沿いにあったマンションが取り壊されたばかりだった。地元の不動産関係者は現場周辺の不自然な変化に気づいていたという。

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