アンドリュー元王子逮捕、イギリスに衝撃走る…近代以降で初の事態に英王室は「100年来の危機」

【ロンドン=横堀裕也】英国のチャールズ国王の弟アンドリュー元王子(66)が「公務中の不法行為」の疑いで逮捕された事件は、国内に大きな衝撃を与えた。英メディアは、高位の王室関係者の逮捕は近代の英国史で初の事態だと報じており、王室は「100年来の危機」(ザ・タイムズ紙)に立たされている。
英BBCによると、元王子は19日午前8時頃、英東部ノーフォーク州の自宅で逮捕された。警察署での聴取後、釈放されたのは同日午後7時頃で、約11時間拘束されていた模様だ。捜査当局は捜査を継続するとしており、押収資料などの解析も踏まえ、起訴に踏み切るかどうかを判断する。
捜査当局は自宅に加え、元王子が最近まで居住していたロンドン郊外の邸宅「ロイヤル・ロッジ」も捜索した。逮捕に際し、王室への事前の通知はなかったという。この日は元王子の誕生日で、英民放スカイニュースは「誕生日の大半を警察署で過ごすことになった」と伝えた。
逮捕のきっかけは、少女らの人身取引罪などで起訴された米実業家ジェフリー・エプスタイン氏(勾留中に死亡)を巡る事件に絡み、米司法省が1月末に捜査資料「エプスタイン文書」を開示したことだった。元王子が2001~11年に貿易に関する政府特使を務めていた際、同氏に機密情報を漏らした疑惑が浮上し、今月上旬には、警察が捜査の検討を開始したと英メディアが一斉に報じていた。
元王子は、かつてはフォークランド紛争に従軍して高い評価を得ていたが、最近ではエプスタイン氏からの紹介で当時17歳だった女性に性的虐待をした疑いや、中国のスパイと親交があった疑惑などが相次いで発覚。チャールズ国王が昨年11月に「王子」の称号を剥奪(はくだつ)していた。それでも現状は王位継承順位8位で英国内では継承権も剥奪すべきだとの声が強まっている。
王室は、元王子とエプスタイン氏の関係を巡って情報開示が不十分だったなどと批判を浴びている。世論調査会社イプソスが19日に発表した調査結果によると、疑惑に関する王室の対応を評価する割合は回答者の28%。評価しないとする回答者(38%)を下回った。
今後の捜査の展開によっては更なる打撃は避けられず、「王室にとって最悪の悪夢」(スカイニュース)に直面している状況だ。

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