五輪の開会式でも…世界に広がる「AIヘイト」、“大AI時代”の「新・価値基準」とは

現在開催中の「ミラノ五輪」では、開会式で用いられたAIアニメーションの演出をめぐり、SNS上で批判の声が相次いだ。こうした「AIの表現が嫌われる」現象は、前回の記事でも大きな共感を集めたテーマでもある。そして最近では、AI表現への嫌悪感だけにとどまらず、人の手で作られた作品すら「AIではないか?」と“AI疑惑フィルター”にかけられる状況が目立ち始めている。AIが当たり前になりつつある時代に、「AIコンテンツ」はどのように扱われていくのかを考えたい。【関連記事】「なんか違和感…」嫌われるAI広告、「リポビタンD」新CMはギリOK…?炎上の境界線は
生成AIが飛躍的に進化し、テキストだけでなく、画像や動画がAIで大量生成される時代になった。今年に入ってからも、X(旧Twitter)の生成AIチャットボット「Grok」で性的画像が生成、拡散して問題になり、生成AIで女性芸能人のわいせつ画像を大量に生成して公開した男性が逮捕される事態なども起きている。

 視聴者側にしても、もはやAIによって生成されたコンテンツとそうでないコンテンツを区別することができなくなってしまっている状況だ。

 さらに、今年に入ってから別の問題も目立ち始めた。最近のSNSを見ていると、生成AIで作られていない画像や動画に対して、「生成AIで作られたのではないか?」という疑惑が持たれるようになってきているのだ。

 生成AIで作られたコンテンツが反発を受ける──という事態が起きているのみならず、人の手で作られた動画や画像に対してまで「生成AIではないか?」という疑惑がかけられてしまう現象も起きているのだ。

 この「AIっぽいものは受け入れがたい」という空気は、個人の投稿や広告表現に限った話ではない。

 直近では、ミラノ五輪の開会式でAIを用いて制作されたアニメーション演出に対し、SNS上で賛否が巻き起こった。演出全体の評価とは別に、「AIを使った表現であること」自体への違和感や拒否感が強く語られた点は象徴的だ。

 作品の完成度以前に、「AIかどうか」が評価の入口になってしまう現象が、国際的な舞台でも可視化されたと言えるだろう。

 こうしたトレンドは、今後もさらに加速していくことが予想される。企業は、生成AIを「使っている・使っていない」に関わらず、消費者に対して説明責任が求められる状況になっていくだろう。

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