結果を出した者だけが次に進める…緊張感に包まれる広島キャンプで新井監督が打ち出した「横一線」のリアルな競争現場

笑顔が印象的な新井貴浩監督から笑顔が消えた。

 各地でプロ野球の春季キャンプが始まった2月1日、広島も例年通り、宮崎県日南市でキャンプインした。歓迎式からチーム全体でのウオーミングアップと、見慣れたはずの光景がいつもとは違う。キャンプイン直前、所属する選手が違法薬物を使用したとして医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕され、ピリピリとした空気が流れている。新井監督が初日に表情を緩めたのは、地元園児たちから花束を受け取ったときくらい。異様なムードの中、2026年の広島は動き出した。【貴重写真】「し、白スーツにグラサン…」ド迫力がスゴい衣笠ファッションや打席でエグい殺気の前田やノムケン、胴上げされる山本浩二、痛そうな正田、炎のストッパー津田恒美などカープ名選手のレア写真を一気に見る今年の広島は「結果を残した者を使う」という、競争原理に立ち返った方針を打ち出した。レギュラーが確定しているのは昨季2冠の小園海斗と、昨季チーム打撃2冠で来日2年目のファビアンのみ。監督をはじめ首脳陣は、「横一線」と強調する。
昨季までも使われてきた言葉だが、これまでは世代交代を推し進めるために用いていたように感じられた。だが、今年は違う。若手ばかりが優先されるわけではない。

「若手もベテランも関係なく、みんなで競争してもらおうというメンバーにしました」

 そう新井監督が断言するように、昨季2桁本塁打の末包昇大も、伸び悩む田村俊介も一軍にはいない。這い上がるためには、結果を残さなければならない。一軍メンバーの生き残りも開幕スタメンも、評価基準は「結果」だ。

 昨季終盤、Bクラスが確定してから若手を多く起用したが結果は伴わなかった。ある程度想定していたものの、結果以上に内容が寂しいものだった。シーズン途中から台頭した中村奨成や佐々木泰との差は際立つばかりだった。ポジションは与えられるものではなく、奪うもの。そこには伸びしろを秘めた若さも、経験に裏付けされた実績も関係ない。

 日南春季キャンプ第3クールから本格的なチーム内競争が幕を開ける。10日、11日には紅白戦が行われるが、それは例年のような沖縄での2次キャンプ行きをかけた若手による争いの場ではない。日米通算1832安打の秋山翔吾も菊池涼介も出場する。両ベテランは昨年の同じ時期はまだ別メニュー調整だった。

 野手だけではない。昨年10月に右肘を手術した大瀬良大地、昨季終盤に右肩の張りで離脱した森下暢仁、直近3年で31勝の床田寛樹の先発3本柱も登板する。

 この方針はすでに昨季終了後、投手陣全体に通達されていた。昨年の実戦初登板がオープン戦に入った3月だった3投手にとって、オフの調整が例年以上に早くなったことは言うまでもない。

 落合博満元中日監督が就任1年目の春季キャンプで、初日の2月1日に紅白戦を行った際のメッセージとはやや異なる。

「オフの取り組み(の意識を高める)ということだったら、キャンプ初日に(紅白戦を)やればいいけどそうではない。何も決まっておらず、ヨーイドンでみんな一斉にスタートしましょうということかな。先発ローテもスタメンも決まっていない」

 キャンプ前に新井監督がそう発信した言葉通りのキャンプインとなった。例年であれば別メニューとなる菊池は全体メニューに加わった。秋山も午後のローテーション打撃からは外れたものの、午前中のメニューに参加。ランチ特打を終えると自ら右翼のポジションに就いて打球を追った。2日目は菊池がランチ特打に回り、秋山が全体メニューに入った。

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