【解説】2日にも再審制度の要綱案“取りまとめ”か 議論となった3つのポイントとは?

有罪が確定した刑事裁判をやり直す再審制度。2024年に袴田巌さんの無罪確定で制度見直しに向けた動きが加速した。法務大臣の諮問機関「法制審議会」で議論が続けられ、2月2日にも取りまとめられる可能性がある。一部で「改悪案」との声も上がる見直し案の中身とは?【画像】再審制度“見直し案”に反対声明「罪に陥れられた人のものに」
1966年、静岡県内でみそ製造会社役員の一家4人が殺害されているのが見つかった。逮捕されたのは、従業員だった袴田巌さん。1980年に死刑が確定した。

袴田さんは翌1981年に再審を求めたが、27年あまり経った2008年、最高裁は再審を認めないことを決定した。

この決定のあとすぐに、改めて再審を求めると、2014年、今度は静岡地裁が再審の開始を決定。ただ、検察官がこの決定に不服を申し立て、再審はすぐには始まらなかった。結果的に再審が始まったのは、2023年。翌2024年に無罪が言い渡された。
再審を求めてから、再審が始まるまでにかかった時間は43年。事件から無罪確定までは58年の月日が経過――こうした実態を踏まえて、法改正を求める声が加速した。
法改正を求める声が加速する中、再審制度を規定する「刑事訴訟法」を所管する法務省でも、法務大臣が2025年3月、有識者らからなる大臣の諮問機関「法制審議会」に議論を求め、本格的な議論が始まった。
学者や法曹三者などが集まった会議は、2025年4月に始まるとこれまでに17回開催。早ければ2月2日の18回目の会議にも要綱案が取りまとめられる予定だが、その案には、「改悪案」との声も上がっている。

主な論点となったのは、裁判所が再審請求に対し、簡単な調査を行いふるいにかける“スクリーニング”手続きの導入と、再審請求で開示される証拠をめぐるルール。そして、袴田さんの事件で、再審開始決定後の壁となった検察官の不服申し立てだ。
要綱案には、再審請求を受けた裁判所がその請求について調査し、その先の審理に進むべき事案であるかを選別する“スクリーニング”の規定が導入された。

裁判所が再審請求者から受け取った再審の理由を書いた書面と、添付された証拠をもとに、再審請求に理由があるかどうかを調査する制度で、迅速化を図るため「遅滞なく」調査することが義務付けられている。

こうした新たな規定について、学者からは「運営の方針に一定の指針を示すもの」と評価が出た。

“スクリーニング”を突破すると、証拠の開示に向けた手続きや意見聴取などの取り調べに進むことができるが、弁護士は、“スクリーニング”を突破しないとこうした手続きに進めないことを問題視。「再審無罪になるまでのハードルがさらに高くなっている」と批判した。

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