「自分のネイルサロンを始めたんだ」──昨年の初春、中学生時代に埋めたタイムカプセルを開ける同窓会行事で、小松本遥さん(31)は笑顔で同級生にそう語った。その後まもなく新しい命を授かり、順風満帆だった人生に翳りが見えたのは夏頃のことだ。【写真を見る】「GPSを送りつけてストーカー」大内拓実容疑者(28)のSNSにはバイクの投稿がずらり。黒のスポーツバイクにまたがり、カメラに笑顔を見せる姿も
「会いたい」
2024年に別れた元交際相手、大内拓実容疑者(28)からの突然の連絡だった。すでに解消したはずの関係の”再構築”を迫るような男の言葉に、小松本さんはすぐ「会いたくない」と突きつけた。この意思表示が、数か月後に起きる凄惨な事件の”引き金”になってしまった──。
2人の出会いは水戸市随一の繁華街。小松本さんはネイルスクールで資格の勉強するかたわら、学費や事業資金のために、とある飲食店でバイトを始めた。そして2024年、店に訪れた大内容疑者と知り合った。
客と店員という垣根を越え、いつしか2人は交際関係に発展。容疑者にとっては”初彼女”だったようで、その浮かれぶりに周囲の人間もすぐに気づいた。
「4年ほど前から、高校の友達なんかとたびたびお店に来てくれていました。そのうち、一度だけ彼女(小松本さん)と飲みにきたことがあって。周りからよく『彼女ができたことない』とイジられていたから、彼女ができたことが嬉しかったんでしょうね。出会ってすぐくらいのタイミングだったと思う。
奥の席に座っていたんですが、付き合いたてということもあってか、見るからに幸せそうでした。お酒も彼が奢っていましたよ」(飲食店関係者)
2人は2024年の年内には破局。翌夏、前出のとおり容疑者は小松本さんにSNSや電話で連絡を試みたがこれを拒否された。願望を叶えられなかった男がその後、選んだ手段はストーカーだった。大手紙社会部記者の解説。
「大内容疑者は昨年10月ごろから、知人に小松本さんの自宅の場所を聞いて回っていた。事件の数日前には小松本さんの実家に、位置情報がわかるGPSタグつきのぬいぐるみが『置き配』されており、その後、事件が起きるまで小松本さんのアパートに保管されていた。茨城県警は男が小松本さんの居場所を周到に調べ、計画的に犯行に及んだとみて捜査しています。
また、内容が判明していないが、昨年7月に小松本さんから県警に相談の電話があった記録も残っている。10月以前から、小松本さんが”つきまとい”に気づいていた可能性もあります」
事件の発覚は2026年を迎える約5時間前。仕事先から帰宅した小松本さんの夫(27)がアパートの玄関を開けようとすると、いつもは閉まっているドアが開けっぱなしになっている。異変を感じた夫が急いでドアを開けると、そこには愛する妻が無惨な姿で横たわっていた。
「玄関には大量の血痕があり、壁にも血が付着していたといいます。首の刺し傷に加え、頭部を鈍器で強く殴られたような痕も確認された。複数の凶器が使われたとみられていますが、関係先からそれらしきものは押収されておらず、容疑者が証拠隠滅のため処分した可能性もある。
また小松本さんは妊娠中で、お腹の赤ちゃんをかばおうとした際にできた”防御創”と思われるアザや切り傷も十数か所あったことから、必死に抵抗したとみられます」(同前)
容疑者が逮捕されたのは、それから約3週間後のことだ。