累計発行部数が100万部を突破した東野圭吾さんの小説が原作の劇場版アニメ「クスノキの番人」が1月30日に公開される。これまで数々の“東野作品”が実写映画化、ドラマ化されてきたが、アニメ化されるのは意外にも初めて。初のアニメを手掛けるのは、「ソードアート・オンライン」「僕だけがいない街」「HELLO WORLD」などの伊藤智彦監督だ。アニメならではの表現を目指したという伊藤監督に、同作に込めた思いを聞いた。【写真特集】「クスノキの番人」アニメ化する意味 美しい映像 ビジュアル一挙公開
◇「クスノキの番人」をアニメ化する意義
「クスノキの番人」は、理不尽な解雇により職を失った青年・直井玲斗が、謎多き“クスノキの番人”となり、さまざまな事情を抱える人と出会う……というストーリー。玲斗は、職を失い、追い詰められた末の過ちで逮捕される。「依頼人の指示に従うなら、釈放する」という弁護士の条件をのんだ玲斗の前に、大企業・柳澤グループの発展に大きく貢献してきた柳澤千舟が現れる。千舟は、亡き母の腹違いの姉で、月郷神社にたたずむクスノキの番人になることを指示する。クスノキには不思議な力があるようで、やがてその謎は、玲斗の人生をも巻き込みながら、思いもよらぬ真実へと導いていく。
伊藤監督は、原作を読んで「地味な話」と感じたという。ネガティブに聞こえるかもしれないが、そういうわけではない。派手なアクションがあるわけでもなければ、人類の存亡に関わる大事件に巻き込まれるわけでもなく、異世界に転生するわけでもない。昨今のアニメを見渡すと、「地味」に見えるかもしれないが、普遍的で芯がしっかりあり、心を揺さぶるような作品なのだ。
「アニプレックスで東野圭吾さんの作品をアニメ化するプロジェクトがあり、俺が手を挙げたのがスタートでした。そんな中、『クスノキの番人』が発表され、これをアニメ化することになりました。『地味』と言ったのは、アニメファンが喜ぶ話では多分ないと思ったからなんです。ただ、やりがいがあるし、そういう作品があってもいいと思います。ここ数年のアニメに要求されるのは、アクションであったり、歌であったり、異世界に行ったりが代表例になると思いますが、『クスノキの番人』は芯がしっかりしているし、絵で暴れないといけないと思っていました。キャラクターデザインに関しても、マンガっぽいキャラクターが混在していても許される世界にしようと考えました。高齢女性がハイヒールで山を歩いていてもおかしくない。これが普通なんですと、それを許される世界にしようとしました」