レディー・ガガ波乱万丈の軌跡──来日公演を120%楽しむための完全ガイド

来日ドームツアーを目前に控えたレディー・ガガ(Lady Gaga)の歩みを、ライター・辰巳JUNKが徹底解説。デビューから最新アルバム『MAYHEM』に至るキャリアを振り返りつつ、喝采を浴びてきた最新ツアー「ザ・メイヘム・ボール」でも披露されてきた代表曲を手がかりに、歌詞やステージに込められたメッセージを読み解く。【画像を見る】ローリングストーン誌が選ぶ、21世紀の偉大な楽曲TOP250「満点をこえた六つ星をつけたいくらいだ!」(英ロンドン・スタンダード誌)。世界各国、辛口の批評家たちから一斉に絶賛をあつめている「ザ・メイヘム・ボール」ツアー。アメリカの有力紙では、舞台劇を表彰するトニー賞候補として検討すべきとの声もあがっている。ここ日本でも期待が高く、追加公演をふくめた6公演を完売させてみせた。

グラミー賞にて7ノミネーションを授かった最新アルバム『MAYHEM』を基調としながら、キャリア総決算と名高い本ツアー。巨大ドレスに光るチェス盤といったド派手なステージで展開される物語は、闇のガガVS光のガガとも言うべき、自分自身との闘いだ。

ショーの背景に存在するのは、ガガみずから「屈折していた」と振り返るアーティストとしての道のり。波乱万丈で紆余曲折なキャリア、その功績を振り返ろう。
1986年ニューヨークに生まれたレディー・ガガは、幼いころからピアノや演技の訓練を受け、ジャズコンテストやロックバンドで経験を積んだ。音楽と美術を学んだ大学を中退したのち、LGBTQ+の人々がつどうクラブシーンに受け容れられ、ポップやロックを混ぜ合わせた演劇的な作風を確立する。

2008年、ポップシーンに突如あらわれたレディー・ガガは、異色の存在だった。ヒット曲の題名どおり「ポーカー・フェイス」な神秘性をまといながら、壮大にギラついたビジュアル、従来の美のイメージを破壊するかのごとき個性──もはや宇宙人説が流れたくらいの衝撃だった。

21世紀最大のデビューアルバムと名高い『THE FAME』のインパクトは語りつくせない。まず「ただ踊ればいい」と高らかに宣言するデビュー曲「Just Dance」。カルヴィン・ハリスも認めたように、米国のラジオに四つ打ちを復活させ、不況のなか踊り狂うEDMブームを切り拓いた。

そして大胆不敵なファッション。刺激を受けたリアーナがミリタリークチュールに挑戦したように、ガガの独創的なスタイルは多くのポップスターに伝播していき、強烈なポップ・ディーバ時代を築いた。

演劇的な作風で注目を集めたガガだが、同時に、歌声に宿るまっすぐな信念こそ力の源だ。

夢を叶えたガガは、デラックス盤『THE FAME MONSTER』にて、スターダムのダークな面を探求。「現代ポップの完成形」と評される「Bad Romance」は、遊び心ある歌詞を特徴としながら、女性アーティストをモノのように扱う音楽業界への批判でもあった。

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