日本文化としての“ヤンキー”に大反響 なぜ『ラヴ上等』は恋愛リアリティの枠を越え評価されたのか?

過去に闇を持つ、腕や腹に大きく青い墨が入った男女11人──ヤンキー×恋愛リアリティショーという、異色のテーマを取り扱ったNetflixの恋愛リアリティシリーズ『ラヴ上等』は、配信開始からすぐに、日本におけるNetflix週間TOP10 (シリーズ)初登場で1位を獲得した。【画像】一触即発…メンチを切り合うヤンキーたちまた、韓国での週間TOP10では5位となり、日本発のアンスクリプテッド作品としては初となる快挙を成し遂げた。グローバル週間TOP10(非英語シリーズ)でも8位を獲得し、2025年12月にはシーズン2の制作が決定するなど、国内外で大きな注目を集めている。

日本でも絶滅危惧種となりつつある、本物のヤンキーを10人も集めての恋愛リアリティショーは、既存の恋リアファンの枠を越えて広まっていった。コンセプト自体は突飛にも思える本作が、ここまで人々の興味を引いたのはなぜだったのか。
35歳以上のミドルシニア層の恋愛を取り扱った『あいの里』、ゲイセクシャルの恋愛を取り扱った『ボーイフレンド』など、恋愛コンテンツにアクティブな若年層以外を取り込む恋愛リアリティを多く輩出してきたNetflixが、今回は”ヤンキー”に目をつけた。

globeの往年の名曲『Love again』をOP曲に添え、特攻服とバイクで、舞台となる学校にヤンキーが乗り付ける。

何より、集めたメンバーの本気っぷりが凄まじい。元暴走族総長、最終学歴少年院、逮捕歴のあるラッパー、海外で人身売買されかけた女性、施設育ちのメンバー……参加者11人のうち、7人が刺青を入れており、中には「全身もんもん」のメンバーも。

学校には男女交流用のサウナもついており、異性と入浴することもできるのだが、銭湯でもまじまじとは見れないほどの刺青を見ることができるため、MCからは「刺青博覧会かよ」という野次も入っていた。

そんなMC陣は、番組のプロデューサーを務めたというタレントのMEGUMIに、恋リア嫌いを公言している永野、そして自身も「半グレ」として青春を過ごしてきたというAK-69が脇を固めた。

この徹底ぶりから、本作が恋愛リアリティショーであるだけでなく”ヤンキーリアリティショー”でもあることも察しがつくだろう。舞台となる学校に着くやいなや、栃木の暴走族長と川崎のチームの頭がメンチを切り合う。教室の後ろ端の座席を陣取る元族長を見て、ヤンキー文化の解説員でもあるAK-69が「背中を取られたくないんでしょうね」などと補足を入れていくあたり、ヤンキーの生態そのものを見どころにしていく意図も窺える。

近年、日本のヤンキー・不良モノは一つの国際的な人気ジャンルとして確立されている。 自分の信念のために戦い、礼儀や上下関係を重んじるヤンキーの姿は、時に「現代のサムライ」の変奏としても映るようだ。またヤンキーたちの持つ命題でもある社会への反抗やマイノリティとしての苦悩などのテーマも、国を問わず若者の共感を呼びやすい。

そして今、日本は空前の平成レトロブームの只中。平成初期〜中期のギャルファッションや当時ならではの文化に注目が集まっている。

特に女性メンバーはヤンキーとギャル、両方の文化を経験してきているメンバーも多いようで、そのファッション性にも注目が集まっているようだ。特に、Y2Kファッションブームの火付け役でもある韓国では、女性メンバーのファッションに着目する切り抜き動画などが多くアップされているようだ。

ヤンキーファッションやヤンキーならではの言動は、海外の人にとっては「日本らしい文化」として映り、日本人にとってはまさに絶滅危惧種となりつつある“平成のヤンキー”がどんな大人になっていったのかを知るという見方をすることもできる。

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