娘を殺害した男との対峙、10mも離れていない距離に…望まぬ判決内容に父は「娘を守れなかった時点で、負け」【3部作の後編】

「なんでこんな奴と同じ空気を吸わなければならないのか」2004年、高校2年生の娘を殺人事件で亡くした北口忠さんは、2020年に開かれた、犯人の裁判に出廷しました。真実を知りたいという気持ちからでした。その時の心境を、講演会で語ってくれました。【前編/中編/後編 の後編】
失った娘…13年半後に逮捕された男、裁判での対峙【写真を見る】娘を殺害した男との対峙、10mも離れていない距離に…望まぬ判決内容に父は「娘を守れなかった時点で、負け」【3部作の後編】2004年10月。広島県廿日市市の住宅で、北口聡美さんが刃物で刺されて死亡しました。同じく自宅にいた祖母(忠さんの母)も刺され、重傷を負いました。

事件から13年半。2018年、他県で、傷害事件の捜査を受けていた男が、聡美さん殺害事件に関与した疑いが強まり、逮捕されました。裁判は、2020年3月に始まりました。
▼北口忠さん
「裁判についてですけど、皆さんには絶対に経験してほしくない。 我が家の事件の場合、2018年の逮捕から初公判まで、約2年近くかかりました。高裁、最高裁で争うことなく、地裁で終わりましたので、まあ短いと言えば変ですけど、裁判自体は早く終わってよかったな、まあ本当、裁判だけですけどね。終わってよかったなとは思っております」

「ただその裁判もですね、何が嫌だと言えば、被告と同じ部屋で、私と10mも離れていない位置に座っておりまして、窓もドアも閉められ、1つの空間で、同じ空気を吸い続ける。これ自体はですね、『なんでこんな奴と同じ空気すわないけんのか』という思いが大きかったです。裁判自体出なくてもいいんですけど、やはり真実を知りたいという思いから、同じ空気を吸うのは嫌ですけど、出ることにしました」
男の裁判員裁判は、2020年3月10日の4回目の公判で、結審しました。検察官は“無期懲役”を求刑。そして3月18日。求刑通り、無期懲役が言い渡されました。

「裁判の中、どこまで真実だったのかというのは、不明な点はあるんですけど、娘との別れの瞬間、 これを聞くこと自体は、本当に嫌なことでしたけど、これはやっぱり父親として、聞くべきだったと今も感じております。なので、裁判自体は、悲しい思いとなるばかりで、言い渡された判決(=無期懲役)は、私が望んだ判決(=死刑判決)とは違いますけど、 これはもう受け入れるしかないと、思っております」

「でも、 人1人の命を奪っただけでも、過去の事例に関係なく被告の命で償うようにすべきだという思いはですね、今でもやっぱり変わっておりません」
「判決公判の後に、一言、『負けた』と報道関係の人の前で言ったんですけど、今考えれば、娘と別れた時点、ようは守れなかった時点で、負けだと思う」

被害者遺族として過ごしてきた、これまで。忠さんは、様々な支援について、感じたことを語りました。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする