2025年、映画史に名を刻んだ名優たちが相次いでこの世を去った。今回取り上げる5人の俳優が残した功績は計り知れない。本稿ではそれぞれのキャリアを象徴する“この一本”を手がかりに、役者としての魅力と映画史に刻まれた足跡を振り返る。第4回。(文・村松健太郎)
監督:アラン・J・パクラ
キャスト:ロバート・レッドフォード、ダスティン・ホフマン、ジェイソン・ロバーズ
1936年に生まれたロバート・レッドフォードは俳優だけでなく、映画監督、プロデューサーとしても活躍。『普通の人々』でアカデミー賞作品賞、監督賞を受賞したほか若手映画監督の登竜門であるサンダンス映画祭を主催した。
キャリアを見ると最初に注目浴びたのはアメリカン・ニューシネマ期で、『明日に向かって撃て』は代表作と言っていいだろう。
アメリカン・ニューシネマ期以降もハンサム枠に収まらない様々な作品に出演。また製作者としても多くの秀作を残した。多種多様なフィルモグラフィの中から一本選ぶのは難しいが、例えば1976年の『大統領の陰謀』などはいかがだろうか?
ニクソン大統領を失脚に導いたワシントン・ポスト紙の記者カール・バーンスタインとボブ・ウッドワードによる“ウォーターゲート事件報道”の出来事を忠実に映画化した社会派サスペンスドラマ。
1972年ワシントンD.C.のウォーターゲートビルにある民主党本部に5人組の不審者が侵入、その後逮捕される。
ワシントン・ポスト紙の新米記者ウッドワード(演:ロバート・レッドフォード)は裁判を取材し、当初は単なる窃盗目的と思われた犯人たちの裏に何か大きな存在を感じる。
同僚のバーンスタイン(演:ダスティン・ホフマン)と組んで事件の調査にあたることになったウッドワードは、情報提供者ディープ・スロートの助言や編集主幹ブラッドリーの後ろ盾を得て徐々に真相に迫っていく。
作品は高い評価を受けアカデミー賞で作品賞をはじめ計8部門にノミネートされ助演男優賞ほか4部門を受賞した。