「人間は売り物じゃない!」東南アジアを取り巻く人身取引の“闇” その根底にあるものとは

2025年9月、東京・文京区のリラクセーション店で12歳のタイ人の少女が保護された。その後の捜査で性的サービスをさせられていたことが明らかになり、人身取引が日本でも行われていることに衝撃が走った。東南アジアを取り巻く人身取引の実態とは…。【画像】独自 12歳タイ人少女の人身取引事件 台湾当局が母親をタイに引き渡す方針固める
タイ警察によると、タイではニセの求人広告による人身取引の被害が数多く報告されている。タイの地方都市で生まれ育ち、仕事を探していた女性も、その1人だ。

その女性は農村部で生まれ育ったため満足な教育も受けられず、仕事探しに苦労していたという。ある日、SNSで「日本でタイ古式マッサージの施術をする」という求人を発見。報酬はタイの平均月収の約4倍から7倍をうたっていたという。

女性は採用担当者と連絡を取り合い、翌日にはパスポートを取得して、すぐに日本へ向かった。もちろん就労ビザではなく、短期の観光ビザでの入国だ。女性が日本に到着して店舗に行くと、性的サービスを強要されたという。

女性が拒むと、渡航費のほかに仲介手数料などが上乗せされ、日本円で約100万円の違約金を請求されたという。女性がやりとりしていた採用担当者は「人身取引のブローカー」だったのだ。

女性にパスポートを取得させ、即座に渡航するよう手続きをしたのはブローカーの常とう手段だという。家族や友人に相談する時間を与えずに、まず日本に来させて後戻りできない状態にした上で、本性をあらわす。違約金を支払い終えるまではタイに帰国させてもらえないため、結局、性的サービスを伴う仕事を続けるしかない状況に追い詰める手口なのだ。
そしてさらに深刻なのは、人身取引の被害が未成年にまで及んでいることだ。タイ東北部・ルーイ。風光明媚な山岳地帯で「タイで最も涼しい場所」として知られる地方都市だ。

ここで2015年10月に保護された12歳の少女は、母親によってブローカーに売られたという。母親は重度の薬物依存で仕事ができず、収入を得られないことから、12歳の娘を1000バーツ(日本円で約5000円)で売ろうとした。しかし、買い手のブローカーが値切った結果、少女はわずか40バーツ(日本円で200円)で売られることになった。

少女はブローカーに連れて行かれた先で、性的な行為を強要されたという。少女の行方が分からなくなって心配した知人がNGO団体に相談し、警察が捜査に乗り出した。母親は逮捕され、その後、少女は保護された。保護された際、少女は「母は私を毎日、働かせた。勉強したかったから行きたくなかった」と話したという。

こうしたケースが後を絶たないタイ。対策は、どうなっているのか。

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