え、これが原題!? 邦題の方が断然カッコいい映画(3)原題が後追いで変更? オリジナルが認めた神邦題とは?

監督や脚本、出演者と並んで、映画鑑賞の入り口となり作品の評価を大きく左右するのは「タイトル」だ。特に洋画は、原題をどう日本向けに変更するかが日本でのヒットの鍵を握る。そこで今回は、巧みな改変によって作品の魅力を最大限に引き出し、「名翻訳」と拍手したくなる邦題を持つ映画を5本厳選して紹介する。第3回。(文・ミシマンディアス)
監督:テッド・コッチェフ
脚本:マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイム、シルヴェスター・スタローン
出演:シルヴェスター・スタローン、リチャード・クレンナ、ブライアン・デネヒー

【作品内容】

 シルヴェスター・スタローン演じるベトナム戦争からの帰還兵であるジョン・ランボー。ベトナム時代の戦友を訪ねに山間の田舎町を訪れる彼だが、身なりなどから地元の警察の偏見により逮捕されてしまう。

 警察署で警察の高圧的な態度と執拗な嫌がらせに耐えきれなくなったランボーは、逃走し、反撃を開始する。

【注目ポイント】

 1982年公開の映画『ランボー』は、アクション映画のスターの1人として知られるシルヴェスター・スタローンの人気シリーズの第1作目であり、現在までに5作品が製作されている。ベトナム戦争がテーマで陰鬱な部分もあり、同じくスタローンの主演作である『ロッキー』(1976)と同じように、本作は2作目以降の大衆向けの明るい作風とは一線を画し、完全なハッピーエンドではない。

 原題の”First Blood”は、日本語では「先制攻撃」といった意味。というのも、映画でランボーが田舎町で暴れまわることになったきっかけはランボー自身の理由のない勝手な暴走ではなく、ベトナム帰還兵に対するアメリカ国内での偏見が起こした「先制攻撃」によるものだからだ。ベトナム戦争直後の当時のアメリカの政治的な背景を投影したタイトルだ。

 しかし、日本ではこの作品をスタローンの痛快アクション作品として売り出すことにした配給会社は、日本公開時には主人公の名前である「ランボー」をタイトルにつけている。それ以降、『ロッキー』シリーズ(1976〜)や1986年公開の『コブラ』のように、主人公の名前がタイトルを飾るのはスタローン作品ではおなじみとなっている。

 この変更、1作目のみを考えると作品の本来のテーマを無視していると断定しまうこともできるが、『ランボー』シリーズの続編は、英語版タイトルでも『Rambo』と主人公の名前が冠されている。それどころか、第1作である本作も現在では”Rambo” あるいは”Rambo:First Blood”というタイトルで世界的に知られているのだ。

『ランボー』というタイトルへの変更は、本国のセンスを先取りした、世界が認める変更であると言えよう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする