熊本市内で警察署や交番にいたずらをして、警察官から逃げる悪質な〝鬼ごっこ〟が少年らの間で横行している。熊本県警は11月、爆竹を投げ込んだとして威力業務妨害の疑いで2人を逮捕。ほかにも同様の事案が相次いだ。県警は「いたずらのつもりだろうが、犯罪行為だと認識してほしい」としている。
ババン、バババン-。11月11日早朝、熊本市北区の熊本北合志署の駐車場で破裂音が響いた。当直の署員がすぐに駐車場に出たが、人の姿は見当たらない。防犯カメラを確認すると、ミニバイクに乗った人物が少なくとも4発の爆竹を投げ込み、逃走する姿が写っていた。
署はこの映像などから菊池市の飲食店アルバイトの少年(16)を特定し、同日のうちに威力業務妨害の疑いで逮捕。11月19日には、少年に爆竹を渡していたとして、先輩で菊池市の自称建設業アルバイトの男(18)も同じ容疑で逮捕した。
署によると、2人は容疑を認め「警察官と鬼ごっこをしたかった」「スリルを味わいたかった」と供述。現場では10人程度の若者が集まり、爆竹を投げる様子を見物していたという。
警察官との「鬼ごっこ」は、若者の間で「ひねご」と呼ばれているという。捜査関係者によると、警察を指す隠語の「ひね」と「鬼ごっこ」を組み合わせた造語で、逮捕された少年も使っていた。交流サイト(SNS)で投稿されることもあるという。
県警は件数を把握していないが、「ひねご」とみられる事案は度々起きているとみられる。
9月には西区の公道でオートバイとミニバイクで蛇行などを繰り返し、停止を求める警察官から逃げたとして、熊本南署が道交法違反(共同危険行為)の疑いで市内の男子高校生2人を逮捕。直前に近くの交番に花火が投げ込まれており、署は2人が関与したとみている。
11月には北区の清水交番のドアガラスが割られ、熊本北合志署が建造物損壊の疑いで同市の男子中学生(14)を逮捕した。
捜査関係者は、少年らが複数人でいたずら行為をしていることから、「仲間内で気が大きくなり、その場のノリで行為に及んでいるのかもしれない」と指摘する。
県警は少年らが集まりやすい年末年始に警戒を強めている。別の捜査関係者は「少年らが言う『ひねご』は重大な犯罪行為になる可能性があり、もし誘われても断ってほしい」と話している。(小山智史)