兵庫で「弁護士ゼロ」16市町、1000人超いても神戸など3市に8割…接見に200キロ「必要ない人まで勾留」懸念

地方での弁護士不足が兵庫県内でも深刻だ。神戸市や姫路市などの都市部に集中し、新温泉町や相生市など16市町には一人もいない。県弁護士会は、「過疎地域」でも法律相談を受けられるよう無料イベントを開くなどの対策に力を注ぐが、根本的な解決策は見つかっていない。(脊尾直哉)
姫路市内の弁護士事務所から往復約200キロ以上。警察に逮捕された容疑者の接見のために、県北部の豊岡市や新温泉町まで車を走らせることが増えている。
竹内彰弁護士(43)は18年以上、姫路市内で刑事弁護をしてきた。「できるだけ早く容疑者の意見を聞くことが大切。弁護士がすぐに駆けつけられなければ、必要がない人まで勾留される懸念がある」と語る。
県弁護士会によると、県内の弁護士数は、11月時点で1053人。神戸市が最も多く627人で、次いで姫路市の139人、西宮市が68人と続く。この3市で県全体の約8割を占める状況だ。一方で、養父市や相生市、猪名川町などではゼロ。加西市や朝来市など5市では1人だけだ。
しかし、県内の弁護士数は減っておらず、むしろ増えている。2010年は620人だったが、20年には974人に増加し、23年には初めて1000人を超えた。だが、都市部に弁護士事務所が集中し、中北部や西部では弁護士の過疎状態が続いている。
弁護士が都市部に偏在する理由はこうだ。
まず、弁護士を目指して大学や法科大学院に通う学生と、地方の弁護士事務所に接点が少ない。文部科学省によると、全国に34校ある法科大学院のうち、約半数が東京都内に立地。県内にあるのは、神戸大(神戸市)と関西学院大(西宮市)の2校で、いずれも都市部にある。
近年は、多くの弁護士が所属する東京や大阪の大手事務所が、司法試験の合格前から法科大学院生に数百人規模で内定を出しているといい、地方の事務所に弁護士が就職しない要因の一つになっている。
また、県内で生活拠点を移すハードルは高く、尼崎市で事務所を構える西部智子弁護士(50)は「子どもの教育など不安に感じる人も多いのではないか。移住して暮らすという発想にはなかなかならない」と話す。

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