佐賀県警に窃盗容疑で逮捕された際、違法な取り調べを受けたなどとして、男性(30歳代)と当時の弁護人が県に計330万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が17日、福岡高裁であり、県に約1万円の支払いを命じた1審・佐賀地裁判決を変更し、計44万円の賠償を命じた。松田典浩裁判長は、1審で認められなかった黙秘権と、接見内容を知られない権利「接見交通権」の侵害をいずれも認めた。
判決によると、男性は2021年、工事現場での窃盗容疑で2回逮捕されたが、ともに不起訴となった。判決は、男性が取り調べ内容を記入したノートなどの信用性を認め、黙秘する男性に対し、警察官が「しゃべってくれるなら、立件もなるべくせんどこうかな。俺は北署のエースで権限がある」「勇気を出してグー(自白)を出してくれ、こっちはチョキ(立件減)を出す」などと自白調書への署名押印を求めたと認定。「社会通念上認められる方法を逸脱した取り調べ」と黙秘権侵害を認めた。
また、弁護人との接見内容を尋ねたことも事実と認定し、接見交通権を侵害すると判断した。
1審では黙秘権について「署名押印はしておらず、心理的強制があったと認める証拠はない」、接見交通権については「裏付けを欠く」として、ともに侵害を認めていなかった。
違法な捜査が指摘されたことについて、県警監察課は「判決内容を精査し、適切に対応する」とコメントした。