米ノースカロライナ州で12月9日、学校に保管されていた衛生用品が盗まれる事件が発生。衛生用品は本来、地元の困窮している家庭に配布されるものだった。職員らが落ち込むなか、地元住民らが支援に駆け付け、物資を寄付した。【写真】届けられた寄付品
地元メディアによると、午前3時ごろ、同州ダーラム公立学区内にある建物に何者かが侵入。
保管していた衛生用品のうち約8割が盗まれ、棚はもぬけの殻になってしまったという。
盗まれた物資は、アメリカで毎年11月に実施される「全国ホームレス啓発月間」に合わせて実施された、寄付キャンペーンで集められた。不安定な生活を送る子どもたちやその家族、計1000人以上に配布される予定だったそうだ。
同学区に勤務するソーシャルワーカーは「頑張って集めたものが、ものの8分で消えてしまい、胸が張り裂ける思いです」と、胸の内を同局の取材で語った。
容疑者は、まだ逮捕されていないという。
地元メディアによると報道後、同学区に多くの支援が寄せられた。1日に複数台の車が寄付品を積んで訪れた日もあったという。
また、盗まれた分に相当する衛生用品が同州の保険会社から届けられる予定だ。
同学区は公式フェイスブックに感謝の意をつづった。
「本事件を報道してくださったメディア各位に、心より感謝申し上げます」
「報道のおかげで、地域の皆さんが迅速に、不安定な生活を送る生徒や家族のための備蓄品を補充しようと動いてくださいました」
同学区の職員は、今回の事件について、「状況が好転した」と捉えているという。
「この報道が、ホームレス状態にある子どもや若者たちへの活動に目を向けるきっかけになったと考えています」
「また、こうした状況に直面している家庭があることを知ってもらえたら、うれしいです」
全米ホームレス教育センターによると、2021年から2022年にかけて、ホームレス状態を経験した子どもは全国で約120万人にのぼり、その多くが、第三者の家に居候しながら生活している。また、シェルターや簡易宿泊施設に寝泊まりをしている子どももいる。
事件があったダーラムでは、2022年の調査で359世帯がホームレス状態にあることが確認され、過去3年間で30%の増加が見られた。また、同年に子どもがいる約130世帯がホームレス状態にあり、これは前年から81%の増加となっている。