鹿児島県警は今年1~10月に県内で発生した「うそ電話詐欺」と「SNS型投資・ロマンス詐欺」の被害件数が計486件で、被害額が計約24億6000万円となったことを明らかにした。昨年1年間の被害額(約20億8000万円)をすでに超えており、統計がある2015年以降最悪のペース。20歳代の若者が被害者となるケースも増加しており、県警が注意を呼びかけている。(笹原文佳)【動画】警察官かたる詐欺電話の音声、福岡県警が公開…高齢女性に「資金洗浄に加担しているのではないか」
うそ電話詐欺は251件で被害額は約7億6000万円。警察官などを装う「オレオレ詐欺」が特に多く、被害件数は87件と前年同期比66件増となった。被害額は同1・5倍の約5億1900万円で、うそ電話詐欺全体の7割を占めた。
主な手口は「あなたに逮捕状が出ている」などと電話をかけて無料通話アプリ「LINE」に誘導し、示談金や紙幣番号を調査する名目で送金させるもの。偽造した逮捕状や警察手帳の写真を送って信じ込ませるケースや、わいせつな写真を送るよう強要するケースもあった。
県警は「警察官がSNSで連絡を取ることや逮捕を免れることを理由に現金を要求することはない」とし、「+」から始まる国際電話や身に覚えのない電話には対応しないよう呼びかける。
SNS型投資・ロマンス詐欺も235件(前年同期比76件増)、被害額約16億9700万円(同約4億5300万円増)で大幅に増加。SNS上の広告から投資関係のLINEグループに誘導し、投資名目で送金させるのが主な手口となっている。偽の投資アプリ上で利益が増えたように見せられ、高額の投資に誘導されて被害額が膨らんでいるという。
親近感や恋愛感情を利用する手口もある。今年、SNS型ロマンス詐欺の被害に遭った県内の70歳代の女性は、フェイスブックの投稿にコメントをしてきた男と2人で海外に移住して生活するための資金作りを名目に投資を勧められ、約2800万円をだまし取られた。
狙われる年齢層の幅も広がっている。うそ電話詐欺で最も多いのは20歳代の64件、次いで30歳代の40件だった。SNS型投資・ロマンス詐欺は50歳代が74件、40歳代が49件と続いた。生活安全企画課の楢原貞行理事官は「従来は高齢者の被害が多かったが、犯人グループがターゲットを広げている。自分は大丈夫だと思っている若者の被害が増加している」と語る。