法的なトラブルや悩みは、弁護士に相談・依頼することで解決を図ることができます。しかし、弁護士費用は決して安くはないため、「収入や貯金がなくて、弁護士費用が払えない」と不安を感じて相談をためらっている方も多いかもしれません。弁護士費用が払えない場合に利用できる、分割払いや立替制度を紹介します。
弁護士費用が払えなくても、次のような制度を利用できるため、依頼をあきらめる必要はありません。
・法テラスの立替制度
・国選弁護人制度
・日本弁護士連合会の法律援助
1-1. 法テラスの立替制度
テラス(日本司法支援センター)には「民事法律扶助(みんじほうりつふじょ)」という制度があり、収入や資産が一定のラインを下回る人は、3回まで無料で弁護士に相談できます。相談後に依頼をする場合の弁護士費用も、法テラスに一度立て替えてもらえます。
立て替えてもらった費用は最終的に分割払いで返還していくことになりますが、一般の弁護士事務所で依頼するより、以下のように大幅に費用が安くなるのが特徴です。
【一般的な弁護士費用の相場】
法テラスを利用しない一般的な依頼では、遺産の額により一定の金額になります。ただ、遺産分割の特異性から、着手金30万円から50万円前後が多く、報酬金は取得した遺産の10%程度になり、着手金と合わせると15〜20%の範囲がおおよその目安になります。
ただし、事務所によっては着手金は不要で完全成功報酬制を採用しているところもあります。この方式では、依頼者が実際に財産を取得できた場合にのみ報酬が発生するため、初期費用を抑えたい方に向いています。
【法テラスを利用する場合】
法テラスを利用できる方は、全国で統一された基準に基づいて弁護士費用が計算されます。
遺産分割調停などの家事事件では、着手金が24万円から53万円程度、報酬金もおおむね同じ程度が目安とされています。なお、遺産の額により異なります。
これは標準的な案件を想定した金額であり、相続人の人数や財産の内容、不動産の評価争いがある場合などは増減します。
なお、収入や資産の要件については、家族の人数や住んでいる地域や住宅ローン・家賃の負担の有無によって基準が異なります。
たとえば4人家族の場合、手取り月収額の基準は、東京や大阪などの大都市では32万円8900円以下、そのほかの地域では29万9000円以下です。資産は300万円以下であることが条件です。
詳細は法テラスのWebサイト に記載されているため参照して下さい。
1-2. 国選弁護人制度
刑事事件の被疑者となった場合、「示談するため」「不起訴になるため」「刑を軽くするため」などの理由で弁護士が必要となります。
取り調べの際に「国選弁護人か、私選弁護人どちらか」を確認されますが、国選弁護人を選べば、無料で弁護士のサポートを受けることができます。この「国選弁護人制度」も国からの求めで、法テラスが実施しています。
国選弁護人制度は、無料である代わりに、担当弁護士を選ぶことはできません。
1-3. 日本弁護士連合会の法律援助
日弁連(日本弁護士連合会)も法律援助を行っています。法テラスで実施している「民事法律扶助」や「国選弁護人制度」でカバーできていない手続きを対象として、人権救済の観点から行われている援助です。
主に、以下の業務を無料で請け負います。
・少年保護事件付添援助
・犯罪被害者法律援助
・難民認定に関する法律援助
・外国人に対する法律援助
・子どもに対する法律援助
・精神障害者・心神喪失者等医療観察法法律援助
・高齢者、障害者及びホームレスに対する法律援助
実施自体は法テラスに委託されているため、申し込みは法テラスに行います。
1-4. 弁護士保険
特殊なケースになりますが、弁護士保険に加入しておけば、いざというときに弁護士への相談や依頼が無料でできます。弁護士保険とは、生命保険などと同じく、月額の保険料を払うことで、いざというときに弁護士にかかる費用を補償してもらえるものです。
加入前におきた事案に関しては保険が効かないため、事前に加入しておく必要があります。補償が始まるのは、初回の保険料支払いの翌月から翌々月であることが多いため、「今後トラブルになるかもしれない」などと考えている人は、早めに加入する必要があるでしょう。
なお、単体の保険商品としての弁護士保険もありますが、自動車保険や火災保険などに特約として付いている場合があります。自動車保険の弁護士特約は交通事故のときのみに使えることが多いです。保険の約款を確認してみましょう。