迷惑「撮り鉄」、硬軟織り交ぜた対策の効果は…悪質行為SNS発信・マナー教室開催

鉄道を撮影する愛好家「撮り鉄」の一部による、線路立ち入りなどマナーを逸脱した行為について、鉄道事業者などが様々な対策を講じている。悪質行為のSNS発信や運行時刻の非公表、マナー教室開催など、硬軟織り交ぜた取り組みの効果はいかに。(前田敏宏、池田寛樹)【写真】「撮り鉄」とはどんな人たちなのか…雑誌編集部は「アンタッチャブルな領域」、鉄道各社は意外な反応
駅ホームに進入してきた電車の前方で、男性がホームドアにもたれかかりながら両腕を線路側に突き出し、カメラを構える――。10月24日、福岡市地下鉄祇園駅であった悪質行為だ。
運行する市交通局によると、現場では男性2人が撮影。電車が非常ブレーキをかけ、警笛を鳴らした後も数秒間続けた。駅係員が駆けつけた時にはいなくなっていた。この影響で後続に数分の遅れが出た。電車は2年後までに廃止予定の車両で試運転中だった。同局は、珍しさから狙っていたとみている。
危険だと周知するため、同局が今月7日、同地下鉄のX(旧ツイッター)に男性が撮影しているモニター画像を、「絶対にやめて」との警告文を付けて掲載すると、180万件超の閲覧があった。「被害届を出すべきだ」「多大な迷惑」などのコメントも寄せられた。
同地下鉄は1年前にも類似の悪質行為をXに掲載していた。担当者は「強いメッセージで禁止を訴えたつもりだったが、また起きた。なかなかなくならない」と頭を抱える。
長く愛された車両のラストラン、里山や渓谷を駆け抜ける姿など、撮り鉄の多くは魅力的な鉄道を、節度を守って撮影している。
だが、映えるアングルを確保しようと、一部の人による、線路や沿線民家への侵入、駅員に対する暴言などが相次ぐ実態もあり、鉄道各社は防止に取り組む。
島根県内を運行する一畑(いちばた)電車は、沿線住民から敷地への侵入や路上駐車、ゴミのポイ捨てなどの苦情増加を受け、3年ほど前から月2回程度、社員が車での沿線の見回りを始めた。しなの鉄道(本社・長野県上田市)も沿線で庭木の無断伐採などがあり、今年9月から人気の高いラッピング車両の運行予定表のホームページ(HP)掲載をやめた。

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