石山哲被告 石山隆被告 哲被告 隆被告「医師の職業倫理にもとる」と断罪、当時の院長に懲役1年6月の有罪判決…みちのく記念病院の患者間殺人隠蔽

青森県八戸市のみちのく記念病院で起きた患者間殺人隠蔽(いんぺい)事件で、犯人隠避の罪に問われた事件当時の院長・石山隆被告(62)に対し、青森地裁は20日、懲役1年6月、執行猶予3年(求刑・懲役1年6月)の有罪判決を言い渡した。蔵本匡成裁判長は「医師の職業倫理にもとる行動の延長線上で起きた。酌量の余地はない」と述べ、隠蔽行為を「病院ぐるみの不正行為」と断じた。
判決によると、石山隆被告は弟の石山哲被告(60)(犯人隠避罪で起訴)と共謀して2023年3月13日、入院中の高橋生悦さん(当時73歳)が相部屋の男に殺害されたと知っていたのに警察に届け出ず、死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を遺族に交付するなどして、院内で起きた殺人事件を隠蔽した。
動機について、殺人事件が表沙汰になれば病院の評判が落ち、信用に傷がつくと考えたと指摘した。そのうえで、「病院を統括管理していた者として、身勝手で浅はかだ」と非難した。
判決ではまた、隆被告が哲被告や看護師から、多量の出血で高橋さんの処置が難航しているとの報告を受け、適切な対応ができる他の医療機関に高橋さんを移す必要性を認識していたと言及。しかし、事態を深刻に考えず、高橋さんの対応を看護師らに丸投げし、病院に駆けつけることも、他の医師を向かわせることもなかったとした。
病院職員の証言などによると、病院では遅くとも2010年代以降、夜間や休日に死亡した患者の対応を担う「みとり医」と呼ばれる高齢の医師が少なくとも3人いた。
判決は、事件当時はアルツハイマー型認知症で、適切な診療が難しいみとり医による死亡診断が常態化していたと判断。隆被告が看護師に指示し、みとり医に虚偽の死亡診断書を作らせたとした。病院が遺族に遺体を引き渡す際も、殺害時の暴行による高橋さんの傷について、徘徊(はいかい)による傷だとうその説明をさせたと指摘した。
こうした経緯から蔵本裁判長は、隆被告が事件で重要な役割を果たしたと強調した。一連の行為を「病院ぐるみの組織的な不正行為で、医療への信頼を大きく揺るがした。社会的な影響も看過できない」と指弾した。

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