「今はSNSで国民に発信できる。これからは、僕のような政治家が増えてくるでしょう」
兵庫県警に名誉毀損(きそん)容疑で逮捕された政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志容疑者(58)は1月、「立花孝志が政治家をしている理由!」と題したユーチューブ動画でそう語っていた。立花容疑者とはどんな政治家なのか。
大阪府出身で、高校卒業後にNHKに入局。週刊誌でNHKの不正経理があったと内部告発し、退職後の2013年に政治団体「NHK受信料不払い党」(後に名称変更)を設立した。初めて立候補した同年9月の大阪府摂津市議選と14年の東京都町田市議選での落選を経て、15年の千葉県船橋市議選で初当選した。
名が知られたのが、16年の東京都知事選だ。「NHKをぶっ壊す!」と政見放送で連呼する姿がネットで話題となり、落選したものの、立候補者21人中8番目の2万7241票を得た。
積極的に選挙へSNSを取り入れ、19年参院選では、選挙期間中に自身のユーチューブチャンネルに100本近くの動画を投稿。比例選で初当選し、党は全国で98万票余りの比例票を得て国政政党となった。
参院選後の19年8月、立花容疑者は記者会見でこう話した。「僕は政治信条がないと言われるが、そんなものは最初からない。あるのは選挙のテクニックだけ」
その政治手法の特徴は、ターゲットを定めてとことん責め立てることだ。
NHKの受信料制度を批判し、標的は既存メディア全体にも及んだ。自身の言動を批判したタレントに抗議し、テレビ局に押しかけて動画を配信したこともあった。
斎藤元彦知事を巡る内部告発問題で注目された昨年11月の兵庫県知事選では、立花容疑者は当選を目的とせず、斎藤氏を応援する「2馬力選挙」を展開。告発者の男性職員が死亡したのは、公用パソコンに保存していた私的情報の発覚を恐れたからだという検証が困難な情報を発信。SNSで拡散された。