今年4月30日、神奈川県川崎市の民家の床下から白骨化した岡崎彩咲陽(あさひ)さん(当時20)の遺体が発見された。その後、同民家に住む白井秀征被告(28)が逮捕され、死体遺棄、死体損壊、ストーカー規制法違反、殺人の罪で起訴された。この事件では彩咲陽さんと父親が、ストーカー被害と生命の危険を約半年間、近隣の警察に訴えていたが、警察は適切に動かず、彩咲陽さんの死という最悪の事態に至った。9月、神奈川県警は捜査の不適切な対応によって重大な被害が出たことについて、計55ページの検証報告書を発表した。彩咲陽さんはどのようなストーカー被害に遭っていたのか。また、ストーカー行為はなぜ起こるのか。父親の岡崎鉄也さん(51)に事件の経緯、専門家にストーカー対策やその心理を尋ねた。(文・写真:ライター・磯部涼/Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
岡崎彩咲陽さんが白井秀征被告と交際を開始したのは2024年春頃。ほどなくして暴力を振るわれるようになった。同年6月13日、彩咲陽さんは白井被告からの暴力行為を近隣の川崎臨港警察署に初めて通報した。
5日後の18日、父の鉄也さんは娘が暴力を振るわれていることを知り、白井被告が働く会社の社長を通じて、白井被告を喫茶店に呼び出した。暴力をやめるよう話し合うためだった。
「ところが、喫茶店で会った白井は『殴ってないです』の一点張りで表情も変えない。その主張を聞きながら、よくこんな嘘がつけるなと思いました」
嘘と断言できたのは、彩咲陽さんへのLINEメッセージを見ていたためだ。喫茶店に来る直前、白井被告は彩咲陽さんに「殴っていないということにしろ」と要求していたのだ。そこで鉄也さんは彩咲陽さんのLINE画面を見せた。
「その途端、白井は手をぶるぶる震わせて、汗をかき始めた。殴るような関係は健全ではない、別れたほうがいいと言いました」
白井被告はその場で別れることに同意した。だが、実際には彼の暴力行為やストーカー行為はなくならなかった。