香川県警は、1~9月の県内の特殊詐欺262件の被害額が約8億9250万円に上り、昨年1年間の被害額を超えたことを明らかにした。県安全・安心まちづくり推進協議会は注意喚起を促す「特殊詐欺等警戒全県警報」を発令。県警はさらなる被害拡大を防ぐため、詐欺の手口の周知を図っている。(須藤さくら)
県警によると、1~9月の被害額は昨年同期の1・7倍に上り、昨年1年間の被害額(約6億7000万円)を2億2000万円超も上回っている。被害額の8割程度が警察官らをかたるオレオレ詐欺だったとしている。
警察官をかたる手口はこうだ。▽警察官や検察官を名乗り、スマートフォンに電話をする▽犯罪への関与を疑われていると伝え、捜査への協力を求める▽警察手帳や逮捕状を示し、LINEなどSNSを教えるよう迫る▽「身の潔白を証明するため」と指定口座に金を移させる――。
金をだまし取ると音信不通になる場合が多いが、その後も理由をつけてビデオ通話をつなげさせ、性的な被害に遭うケースもあるという。「入れ墨が入っていないか調べる」と服を脱がせるといった被害が確認されている。
若い世代の被害も目立つ。1~9月のオレオレ詐欺の被害96件のうち、被害者の4分の1が20歳代以下だった。県警生活安全企画課の田中孝典次長は「詐欺の手段が固定電話からスマートフォンに移行し、全世代が被害に遭いやすい時代になった」と分析。画面に警察署の番号を表示する手口もあるといい、危機感を募らせる。
SNSで投資を促して詐取したり、恋愛感情を抱かせてだまし取ったりする犯罪も頻発。1~8月の被害額は、最初から投資名目の詐欺が約6億2000万円。恋愛感情を利用した詐欺が約5億9000万円に上る。
こうした事態を受け、県安全・安心まちづくり推進協議会(会長=池田知事)は3~12日に「特殊詐欺等警戒全県警報」を発令した。振り込め詐欺が頻発した2014年以来11年ぶりの運用だった。