3人の幼い命が奪われた飲酒運転事故から、8月で20年です。FBSでは、飲酒運転の撲滅に必要なことを考える企画をお届けしています。今回は、ある事故の裁判を通して、飲酒運転が人生を狂わせる現実をお伝えします。
事故が起きたのは、ことし3月8日未明のことでした。
現場は、福岡空港そばの福岡市博多区金の隈。高速道路の下を通る、緩やかなカーブの県道です。
時速およそ40キロで走行していた車は、カーブを曲がりきれずに対向車線にはみ出し、自転車をはねました。
自転車に乗っていたのは22歳の男性で、顔や肩の骨を折る大ケガをしました。
私たちは、はねられた男性に話を聞くことができました。
■はねられた男性
Q.どういう状況で事故が起きたのでしょうか?
「バイトの終わりに近くのコンビニで軽く買い物を済ませて、コンビニを出たあとから記憶がなくて、気がついたら病院のベッドの上だった。」
記憶を失うほどの強い衝撃。
事故の激しさを物語るように、自転車のカゴと前輪は、ぐにゃりと曲がっていました。
■はねられた男性
「ヘルメットが割れたり欠けたりしていて。ヘルメットをしていなかったら確実に死んでいただろうなと考えて、怖くなりました。(病室に)両親が来た時に、事故に遭ったとか、ひき逃げだったと聞いて。」
男性をはねた車は、現場から逃走していました。
しかし、事故からおよそ3時間後、車の運転手が警察に自首しました。
逮捕されたのは、運送会社の社員だった45歳の男です。
警察によりますと、呼気からは基準値を超えるアルコールが検出されました。
『自宅で焼酎を1.5合と350ミリリットルの缶チューハイを1本飲んだ。』
逮捕容疑は「ひき逃げ」と「過失運転致傷アルコール等影響発覚免脱」でした。
飲酒運転の発覚を免れるため、現場から逃げた疑いです。
裁判では、自首するまでの経緯が明らかになりました。
検察の冒頭陳述によりますと、男は夜、自宅で焼酎や缶チューハイを飲んだあと、さらに飲食店で酒を飲もうと、知人に電話し、約束を取り付けました。
そして、知人と会うために、酒を飲んだ状態でハンドルを握ったといいます。
しかし、知人から急きょ会えなくなったと連絡が入り、自宅に戻る途中、さらに酒を購入しようかなどと考えていたところ、事故を起こしました。
■弁護士
『なぜ、逃げたんですか。』
■男
『その時は恐怖・混乱で、パニック状態になったのが原因です。』