熊本市中心部で、泥酔者に関する110番通報が相次いでいる。過度な飲酒を控えるよう、熊本県警が異例の呼びかけをしたにも関わらず、泥酔者が逮捕される事件も発生。7月の地震対応が続く中、県警は「泥酔者の対応が重なると警察活動に支障が出る」と理解を求める。
「今まさに、県民一丸となり災害復興が進められています。周囲に悪影響を及ぼす深酒を控えていただくことは、警戒力や医療資源を確保する災害支援につながります」。県警は5日、X(旧ツイッター)の公式アカウントに投稿した。熊本中央署管内で通報が頻発しているのが理由だ。
同署は熊本市中心部の繁華街を管轄に持ち、泥酔者に関する通報は週末を中心に多い。ただ9日までの1週間の通報件数は100件近くに上っており、「通常の1・5倍ほど増えている」と、ある捜査員はため息をつく。飲食店でのけんかや路上での居眠りが多いという。
県警の呼びかけは9日までに110万回以上表示された。それでも8日深夜から9日朝にかけて、熊本中央署管内では泥酔者に関する通報は13件で、目立った効果は出ていない。
飲酒が絡んだ事件も相次いだ。呼びかけ翌日の6日朝には、中央区九品寺1丁目のコンビニ近くで、泥酔状態で草刈り用の鎌を振り回し、乗用車を傷つけたとして、同区の無職の男(65)が器物損壊容疑の現行犯逮捕された。8日深夜には、同区下通1丁目の路上で、自営業の男性(23)=美里町=を投げ飛ばしたとして、南区の病院職員の男(40)が傷害容疑で現行犯逮捕された。男は取調室で「手錠を外せ」と暴れるほど泥酔状態だったという。
泥酔者の通報があると、警察官が複数人で現場に急行する。救急搬送に付き添ったり、自力で帰宅できるまで保護したりすることもあるという。県警は地震対応のため被災地に警察官を派遣し、避難所の見回りや災害に乗じた犯罪を防ぐパトロールに当たっている最中。泥酔者への対応も度重なり、警察官の負担は増しているという。
熊本中央署は「県警だけでなく、けが人がでれば医療機関にも負担がかかる。飲酒は周囲に迷惑を掛けない程度にしてほしい」と訴えている。(上島諒)