吉川愛が主演を務めるドラマ『名探偵のままでいて』(テレビ朝日系)が放送中。本作は、孫娘が持ち込む“謎”を認知症の祖父が解き明かす、これまでにない“安楽椅子探偵ミステリー”だ。今回は、第4話のレビューをお届けする。(文・まっつ)【写真】綱啓永&高松アロハ、対照的な二人の魅力とは? 貴重な未公開写真はこちら。『名探偵のままでいて』第4話劇中カット一覧
『名探偵のままでいて』第4話は物語における重要な回になったと思う。謎が解決し、それ以外の部分で一歩も二歩も話が進んだ。
ひとつの問題が楓に対するストーカー被害だ。楓が一人暮らしする自宅のドアに不気味な花束がかかり、一人で歩いているときには度々つけられている気配を感じていた。
周囲や警察にも相談し警戒していた楓だが、祖父(奥田瑛二)の自宅から出る瞬間を狙われ、囚われの身となってしまう。すなわち犯人はこの家に日常的に出入りしている人間だった。
当初はバニラビーンズの匂いを漂わせ、足の速さなども考慮し理学療法士である国枝(朝井大智)だと思われていた。しかし、祖父が進めていく推理は違った。
楓が使っているブラシに髪の毛が付着していないこと、そして指紋も残されていないことをヒントに、業務中から手袋をしている“親バカさん”こと久喜(勝村政信)が犯人であることを指摘する。これまで久喜が楓のシューズに興味を持ったことやバニラの匂い(プロテインによるもの)なども犯人であるという事実を補強している。
そして、久喜には実際には娘がいないということも恐怖に変わる。これまで「娘」として親バカを披露していたのはすべて楓を指してのもの。歪んだ愛を向け、それがストーカーへと変わっていったことが読み取れる。
ただ、久喜本人の前で犯行を言い当てた祖父は危機にさらされる。「警察を呼ぶことを頼んでおいた」という娘の香苗は幻視で見たものにすぎず、すでにこの世にはいない。
だが、祖父はきちんと自身の病状を向き合っていた。これまでの楓の反応から香苗は幻であることを読み取り、自らの目で見たものを信じていなかった。
だからこそ、四季(綱啓永)や岩田(高松アロハ)に頼り、無事犯人を確保することに成功した。もっとも、祖父が自らの手で久喜を締め上げていたのだが。
毎回、孫娘の前で娘の名前を呼ぶ行動は病気とわかっていながらも切ないなと感じていたのだが、これすらも伏線となっていたのは鮮やかだった。楓を演じている吉川の絶妙に悲しげな表情もフックとなり、犯人逮捕に至ることができたのはドラマならではの演出だと感じた。
その後、楓は過去のショッキングな出来事を告白。自分が生まれる前に母親が事件に巻き込まれたこと、そして父を病気で亡くしていることを明かした。なかなかヘビーな過去で、それがミステリー小説や祖父との結び付きともなっているようだった。