「海の消防と警察」といわれるほど幅広い業務を担う海上保安庁。今年4月、佐賀県の北海域を管内とする唐津海上保安部(佐賀県唐津市)のトップに着任した福田直樹さん(51)に、海保行政の現状を聞いた。(帆足英夫)【写真】シェアサイクル「チャリチャリ」、唐津市の呼子エリアで事業を開始
――唐津海保の体制は。
「職員は傘下の壱岐海上保安署(長崎県壱岐市)、伊万里海上保安署(佐賀県伊万里市)と合わせて約100人。ヘリ甲板付きの巡視船『いまり』など巡視船艇5隻を有し、警戒監視にあたっている」
――管内の特徴は。
「加唐島、松島など人が住んでいる島が複数ある。離島を含む地域の安全確保などで協力するために、唐津海保は唐津、伊万里両市と連携協定を結んでいる。傷病者の救急搬送などが大切な活動だ」
――どのような海難事故が起きているか。
「年間40隻ほどの船舶海難事故が起きているが、多いのはプレジャーボートの事故。転覆、浸水に加え、機関の不調による運航不能が目立つ。春になって釣りのために久しぶりに沖にボートを出したところ、エンジンがかからなくなったというケースなど。これを防ぐには、自動車と同じように、定期点検や出航前点検が有効だ」
「また、長崎県・壱岐島沖で昨年4月、医療搬送用ヘリコプターが不時着し、医師ら3人が死亡した事故についても、鋭意、捜査を進めている。専門的な内容が多く、時間がかかる」
――管内で発生する事件、犯罪の傾向は。
「いわゆる『レジャー密漁』が多い。売買のためではなく、自分が食べるためにサザエなどを無許可でとるという形態だ。海保として海岸パトロールなどで抑止、摘発をしている。ただ、2024年には、密漁を繰り返して約1200万円相当のウニを出荷していたとみられる悪質なケースもあり、容疑者らを逮捕した」
――密航はないのか。
「最近はない。密輸では、200キロ余りの金塊を唐津市の漁港に陸揚げして密輸した疑いで、被疑者らを2017年に逮捕している」
――海上保安官になった理由は。