28日に熊本県で最大震度7を観測した地震をめぐり、交流サイト(SNS)上でデマや真偽不明の情報が拡散している。近年は生成人工知能(AI)の普及で、偽画像や偽動画も流布される。過去の大規模災害では偽情報が救助や自治体業務の妨げとなった例もあり、逮捕者も出ている。総務省は安易な拡散に注意を呼びかけている。【動画】イオンモール熊本の爆発する瞬間が映った映像
「ネットで見つけたイオンモール熊本の事故後の店内画像」-。爆発が起きた大型商業施設「イオンモール熊本」(嘉島町)の様子だとする画像が28日深夜にSNSに投稿され、29日未明時点で1300件以上の「いいね」がついていた。その後、「フェイク画像では?」と指摘があり、画像は削除された。
他に「ボランティアのふりをした外国人窃盗グループが被災地に向かった」「人工地震の可能性がある」といった根拠のない投稿や、海外で発生した事件の動画を熊本の地震の様子として投稿したものもあった。
SNSの誤情報は、災害の度にくり返されている。2016年4月の熊本地震では「動物園からライオンが放たれた」との虚偽の投稿が拡散。24年1月の能登半島地震では「倒壊した家屋に家族が挟まれた」といった虚偽の救助要請が投稿され、救助活動が妨害された。いずれも投稿者が逮捕された。
偽情報にだまされないため、私たちはどう対処すべきか。ITジャーナリストの三上洋さんは「投稿者のプロフィルや過去の投稿をさかのぼって見ていけば、怪しい投稿か否かが分かる」と指摘。「拡散の多くは善意によるものだが、SNS上の拡散は被災地の助けにはならない。リポストだけでなく、『いいね』や、保存といった全ての動きを控えるべきだ」と語る。
生成AIの悪用も散見される。内田誠一九州大教授(画像情報学)は「静止画は精度が上がり、もはや見た目での真偽の見極めは難しい」と話す。一方、動画は▽光に対する影の方向▽二つの物体を比較した時の大きさ▽構造物が途中で切れている-などで不自然さが残るという。静止画も「インターネットの画像検索機能で類似画像を探すことが可能だ」と助言する。
総務省は28日、Xの公式アカウントで「科学的根拠のない言説等の真偽不明の情報が流通するおそれがある」と投稿。「情報源はある?」「その情報の専門家?」といった偽・誤情報のチェック項目も紹介している。