「借金があるからって、友人をこんな残酷な方法で殺しますか」──”生き埋め”現場の近くに住む男性は、ゾッとした表情を浮かべ、そう吐き捨てた。【写真を見る】殺害されたリフォーム会社社長の川本健一さん(当時49歳)。SNSに投稿されていた、川本さんと一緒に釣りを楽しむ倉本容疑者の姿なども
7月17日、県警は、かつての勤務先であるリフォーム会社の社長宅に放火し、社長の首などを包丁で複数回刺して殺害したとして、広島市南区の無職・倉本幹太容疑者(29)を殺人容疑などで再逮捕した。【前後編の前編】
倉本容疑者は、本事件の共犯とみられる男性を「生き埋め」にして殺害した容疑ですでに逮捕されている。さらに、勤務先からの現金着服や取引先からの詐取など、横領・詐欺容疑でも逮捕・起訴されていた。
「今回の逮捕容疑は、2月16日未明の犯行に対するものです。すでに生き埋めで殺害された男性と共謀のうえ、リフォーム会社社長の川本健一さん(当時49)宅に侵入。夫婦にガソリンをかけて放火し、川本さんの首などを刺して殺害したほか、妻の頭を瓶のようなもので殴打したという内容です。
妻は逃げ延びたものの、顔などに全治約1か月の火傷を負いました。倉本容疑者は妻の甥にあたり、川本さんからも身内のように可愛がられていたといいます。しかし、容疑者は会社や取引先から金を騙し取っており、県警はその発覚を免れるための犯行と見ています」(大手紙社会部記者)
勤務先からの横領や詐欺の発覚を免れるために恩人である社長を殺害し、さらには共犯者の男性をも手にかけるという残虐な事件。倉本容疑者はいずれの容疑も否認しているという。
改めて、事件の全容を振り返る。
今年4月29日、寄せられた情報をもとに広島県警の捜査員が同県三原市の会社敷地内を掘り起こしたところ、男性の遺体が見つかった。のちのDNA鑑定などで、遺体は市内で鉄工業を営む徳田雅希さん(29)と判明する。
「遺体が見つかったのは、経営者が変わりながらも長く鉄工業が営まれてきた会社の敷地です。機材もそのまま世代交代で引き継がれてきました。最初の経営者はすでに引退し、一時期は徳田さんが経営していたようですが、現在は別の方が引き継いでいます。最近も数人が出入りし、部品作りや塗装などの作業をしていました」(近隣の男性)
現場となった会社は市街地から少し離れ、緑豊かな山と清流に囲まれた、人通りの少ない場所にある。近隣住民は「これといったトラブルはなかった」と口を揃える。
「徳田さんは3月10日、親族から行方不明届が出されていました。同時に、別の事件の重要参考人として県警がマークしていた人物でもありました」(大手紙社会部記者)
「別の事件」とはまさに、今回倉本容疑者が再逮捕される発端となった、2月の川本さん殺害事件のことだ。遺体発見現場から直線距離で約40キロ離れた東広島市に、川本さんは住んでいた。