AI悪用の替え玉受験、文科省が「対策強化」を全国大学に通知…極小イヤホンなど<先端技術カンニング>も防止模索

近畿大学の入試を巡る英検の替え玉受検事件など、相次ぐ不正受験の発覚を受け、文部科学省は全国の大学に対策強化を通知した。人の目によるチェックには限界があるため、試験会場ではAI(人工知能)の活用も始まっている。(北島美穂、川本一喬)
個別指導塾の元塾講師(35)は、教え子の男子受験生の代わりに替え玉受検した英検のスコアを近大入試で使ったとして、偽計業務妨害容疑などで5月に逮捕、今月8日に起訴された。元塾講師は大阪府警の調べに「受験生に替え玉を持ちかけた。指導するより手っ取り早いと考えた」という趣旨の供述をしたという。
英検側も近大側も、なりすましに気づけなかった。府警によると、元塾講師は受験生の英検のオンライン出願を自ら行い、自身の顔写真を登録。2025年9月、英検会場に行き、受験生になりすまして2級に合格した。会場では本人確認が行われたが、顔写真のない受験生の本人確認証を提示した。
近大には、自身と受験生の顔写真を組み合わせた加工写真で出願。英検の顔写真との違いに気づかれないようにする目的だったとみられる。
各試験で相次ぐ不正受験では、技術革新の進む電子機器の悪用が目立つ。
25年の英語能力試験「TOEIC」の会場では、替え玉の中国籍の大学院生が、マスク内の小型マイクを通じ、極小イヤホンを付けた他の受験者に解答を伝えていたとみられる。日本大の入試会場では今年3月、替え玉の中国籍の男が小型カメラを所持。問題を撮影して外部に送ろうとしていた可能性がある。
文科省は今月3日付の通知で▽禁止の通信機器を持参する場合は、電源を切り、カバンに収納させる▽会場では、顔写真付き本人確認証で確認する▽学生の成績が試験時と入学後で大きく異なる場合、試験結果を検証する――などの対応を求めた。同省大学入試室の田島博樹室長は「発達した技術を誰でも簡単に利用できる時代になった。大学側には対策を強めてもらいたい」と話した。

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