宮崎県内で認知された2025年の特殊詐欺被害額(SNS型含む)が約14億円で、5年前(2021年)のおよそ22倍に上ったことが県警のまとめでわかった。最近は警察官を装った「ニセ警察詐欺」など手口も巧妙化しており、県警は不審な電話着信を遮断するなどの対策を呼びかけている。(山田太陽)【一覧表】詐欺電話を見抜く主なポイント
県警によると、被害額は21年は約6300万円(被害件数27件)だったが、22年は約1億3600万円(同52件)、23年は3億5800万円(同52件)と増加。24年には約11億円(同155件)と急増し、25年は約14億円(同173件)と被害が拡大し続けている。今年1~3月の被害額も前年同期比約2億円増の約5億円に上り、過去最悪のペースとなっている。
25年の被害額のうち、約2割の約3億4000万円を占めるのがニセ警察詐欺で、数年前から手口の一つとして増えているという。電話口で警察官を名乗って「あなたの口座が犯罪に使われている」などとうそをつき、「資産を保護する」などといった名目で現金をだまし取る手口だ。
今月には門川町の70歳代女性が、約5500万円をだまし取られたことがわかった。女性は京都府警の警察官を名乗る男から電話口で、女性名義の口座が詐欺事件に使われており、捜査協力しないと逮捕すると告げられた。警察手帳の画像を送られたため本物の警察官と信じ込み、現金や暗号資産を送ったという。
県警によると、県内で発生したニセ警察詐欺では、警視庁や大阪府警など、遠方の警察を名乗る傾向がある。また、犯人側からは最初に携帯電話で接触し、特に国際電話が多いという。
県警は被害を防ぐため、不審電話への対策を進めている。固定電話向けでは、自動通話録音機の貸し出しや、国際電話の利用を休止する手続きの申し込みを受け付けている。携帯電話では、詐欺の疑いがある番号からの着信を遮断する機能を備えた、スマートフォン向けアプリのダウンロードの推奨などを行っている。
県警生活安全部の山口直哉統括官は「アプリを入れてもらえれば(怪しい電話は)かかってこず、詐欺に遭うきっかけを作ることもない。日頃から家族や友人とも情報を共有し、皆で被害を防止する状況を作ってほしい」と話している。