タレントのデヴィ夫人(86/本名:ラトナ・サリ・デヴィ・スカルノ)を巡る2つの暴行事件について、東京地検は、今年3月に在宅起訴。注目の初公判が、今月23日、東京地裁で行われる。【投稿】繰り返し話題になるデヴィ夫人の“秘書”求人デヴィ夫人が問われている罪はどれほどのものなのか。そして、デヴィ夫人の言い分が認められ“無罪”だった場合、芸能界に戻る場所があるのだろうか。(ライター・中原慶一)
事件の概要をざっと振り返っておこう。
最初の事件は、昨年2月に東京都渋谷区内の飲食店で起きたとされる。報道などによれば、デヴィ夫人は自身の事務所に所属していた女性従業員と口論となり、シャンパングラスや食器などを投げつけた疑いが持たれた。
女性に大きなけがはなかったというが、警視庁は暴行容疑で捜査を進めていた。デヴィ夫人側は一貫して暴行行為を否定。従業員との意見対立があったとしている。
2件目は昨年10月、今度は渋谷区内の動物病院で勃発。当時入院していたデヴィ夫人の愛犬が死亡し、デヴィ夫人が病院に駆け付けた際、現場にいた30代の女性マネージャーとの間でトラブルになったという。
警視庁は、デヴィ夫人が女性の胸や腹を殴るなどしてけがを負わせたとして傷害容疑で捜査。報道では女性は全治約2週間の負傷とされていたが、デヴィ夫人側は「愛犬の死に動揺する中で羽交い締めにされ、腕を振り払っただけ」「殴ったり蹴ったりはしていない」と全面的に反論した。
警視庁は両事件について捜査を行い、それぞれ書類送検。その後、東京地検は今年3月30日、飲食店での「シャンパングラス投げつけ事件」(暴行容疑)と、動物病院での「元マネージャー殴打事件」(傷害容疑)についてまとめてデヴィ夫人を在宅起訴した。
デヴィ夫人の場合、2月の「シャンパングラス投げつけ事件」は暴行罪、10月の「元マネージャー殴打事件」は傷害罪の疑いがかけられている。
それぞれの罰則は以下の通りであり、傷害罪のほうが暴行罪よりも刑罰が重い。
・暴行罪(刑法208条)
2年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金または拘留若しくは科料
・傷害罪(刑法204条)
15年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金
暴行罪と傷害罪とはどう違うのか。さる法律事務所関係者はこう話す。
「一言で言うと、『暴行の結果、ケガをさせたかどうか』で区別されます。
まず、暴行罪は『他人の身体に向けた不法な有形力の行使』を行い、相手がケガをしなかった場合に成立します。
これに対し、傷害罪は『人の身体を傷害した者に科される罪』です。『傷害』とは『人の生理的機能の障害を生じさせること』を意味し、物理的な暴行行為によってケガをさせることだけでなく、ハラスメント等で心理的に追い詰めて精神疾患に罹患させることも含まれます。
暴行罪との関係では、『不法な有形力の行使』の結果、相手がケガをしなければ暴行罪、相手にケガをさせれば、たとえそのつもりがなくても傷害罪となるということです」