福岡市の路上で男性が殺害された事件、未解決のまま20年…有力情報の提供は2017年以降ゼロ

福岡市早良区野芥の路上で2006年6月、近くの中古車販売業松口弘員(ひろかず)さん(当時33歳)が殺害された事件は未解決のまま、15日で発生から20年となる。福岡県警は殺人事件として捜査を継続しているが、犯人の特定に結びつく可能性がある有力情報の提供は17年以降はゼロで、捜査は難航している。県警は15日、現場周辺で10年ぶりに犯人の特徴などを記したチラシを配り、情報提供を呼びかける。(今泉遼、森陸、相良悠奨)【地図】事件現場
「座り込んだ男性に奥さんが『大丈夫?』と必死で聞いていたことを覚えている」。5月中旬、事件現場の近くに住む70歳代の女性は事件当日の様子をこう振り返った。
あの日、女性の夫は犬の散歩に出かけると、すぐに細い路地に松口さんと男が立っているのを見かけた。気になって近づくと、男は急に逃走。何かトラブルが起きたのだと思い、大声を上げて追いかけたが、見失ってしまった。松口さんが刺されていたことは後から知ったという。
女性は夫の大声を聞き、外に出たところ、座り込んだ松口さんを妻が懸命に介抱する姿を目撃した。松口さんは妻の問いかけには応えられないようで、到着した救急車に乗せられて搬送されていった。
女性の夫は数年前に亡くなった。女性は「主人は時々、『犯人を逃がしてしまった』と後悔を口にしていた。退職はしていたが元警察官だったので、悔しさがあったと思う」と明かした。その上で、事件を振り返り「最初は、すぐに捕まると思っていたが、20年も未解決とは驚きだ。何か情報が集まって、解決してほしい」と願った。
県警によると、これまでに延べ約7万6000人の捜査員を投入し、松口さんの家族や友人、事件発生時刻に現場付近を通行する人ら1400人以上から聴取を行った。現在も早良署に捜査本部が設置されており、約10人の捜査員が捜査にあたっている。ただ、年間1~5件寄せられていた有力情報は、ここ10年は皆無だという。

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