米自治領プエルトリコから米イリノイ州に向かう飛行機で5月31日、乗客の男が非常口を開けようとする騒ぎが起こった。この様子を見た別の乗客が、すぐさま男を制圧。冷静な対応に、SNSでは称賛の声が寄せられている。【映像】「警察なのかと思った」冷静に男を制圧する乗客
騒ぎは米格安航空会社フロンティア航空3345便で発生したと、CBSニュースが報じている。
捜査を担当したマイアミ・デイド郡保安官局によると、男は飛行中に「飛行機を降りたい」と言い出し、非常口を開けようとした。客室乗務員が制止したものの従わず、その後は機体前方へ向かい、コックピットのドアを開けようとしたという。
事態の収拾がつかない中、非番で乗客として搭乗していた客室乗務員が対応し、一度は男を座席に座らせた。しかし、その客室乗務員がトイレに入ろうとした際、男が突然殴りかかり、首を絞めようとするなど暴行を加えたため、騒ぎはさらにエスカレートした。
この状況に冷静に対応したのが、乗客のひとりであるジョシュ・ロングッドさんだ。ニュース局FOX8によると、ロングッドさんは元総合格闘家で、ブラジリアン柔術の黒帯保持者だという。
ロングッドさんは男を座席に押さえ込み、シートベルトで拘束。さらに、ほかの乗客らが男の手首を縛るのを手伝った。
機内で撮影された映像には、拘束されながら暴言を吐き続ける男と、終始冷静に対応するロングッドさんの姿が映っている。
ネット上では、「警察官かと思うほど冷静」「みんなの安全を守ってくれてありがとう」「ものすごく落ち着いている」など、ロングッドさんを称えるコメントが相次いだ。
ロングッドさんは6月2日、同局の取材で当時の状況を振り返った。
「自分が何か行動を起こさないといけないと思いました。誰にもけがを負わせずに対処できると思ったんです」
「男が何か問題を起こす予感がしていました。そこで、男が飛び掛かった瞬間に安全に取り押さえ、窓におさえつけました」
「できるだけ落ち着いて対処するように心がけました。そうすれば、ほかの乗客も落ち着いていられるから。皆さんには、私が場を制御できていると理解してもらえていたと思います」
CBSニュースによると、同機は午後11時55分、フロリダ州のマイアミ国際空港に緊急着陸。駆けつけた地元当局が男を逮捕した。その後、飛行機は本来の目的地であるイリノイ州のシカゴ・オヘア国際空港へ向かった。
なお、米連邦航空局(FAA)によると、機内で安全を脅かす行為を行った場合、懲役刑や罰金刑が科される可能性があるほか、航空会社の搭乗禁止リストに登録されることもある。
また、日本の航空法においても、機長が安全阻害行為の禁止命令を出すことができる。これに従わなかった場合、50万円以下の罰金が科される可能性がある。