突然逮捕されてしまったら誰が助けてくれるのだろうか──。今、「司法の救急車」とも呼ばれる当番弁護士が不足していてピンチに陥っているという。【映像】当番弁護士の不足で生じるリスクニュース番組『わたしとニュース』では、当番弁護士制度の現状や課題について、大阪弁護士会の水谷恭史氏と弁護士の三輪記子氏の解説を交え、逮捕直後の人権保障や司法制度のあり方について考えた。
突然逮捕され警察に身柄を拘束された時、逮捕された本人やその家族からの要請を受けて駆けつけるのが「当番弁護士」だ。どのような制度なのか、大阪弁護士会の水谷氏は次のように説明する。
「逮捕直後1回に限って、逮捕されている被疑者やその家族からの依頼に基づいて、無料で弁護士が拘束されている施設に行って被疑者から相談を受けたり法的なアドバイスをしたりする。このアドバイスに基づいて自分を守るという権利をきちんと行使できるようにする、そのサポートが当番弁護士の最も大事な役割。逮捕されてしまった方に対する緊急的なサポートという意味では、『救急車』とか『社会インフラ』という言い方もされる」(水谷氏、以下同)
逮捕直後に法的なアドバイスをしてくれる心強い存在だが、それ以外にも必要に応じて家族や会社への連絡などを担うこともあるという。
「例えば、通勤電車の中で痴漢の疑いをかけられて逮捕された場合、突然逮捕されて、自分では誰にも連絡できない状態になる。家族や会社からすると、突然行方不明になったという状態になる。そういう時に、『家族や会社への連絡を頼む』『安否の確認をする』そういったことも引き受けることはある」
逮捕直後の不安な時間を支えることから「司法の救急車」とも呼ばれるこの制度。しかし、実は国の制度ではなく、各地の弁護士会が独自に支えている事業だ。
「(当番弁護士は)ボランティアのサービスです。我々弁護士が弁護士会に納めている会費から費用を捻出しているので、被疑者や家族、弁護士の出動を頼んだ方には負担をかけないという運用をしている」