今年3月、京都府南丹市で11歳の男の子が行方不明になる事件がありました。逮捕された継父は「『本当のお父さんじゃないのに』と言われ、腹が立って殺した」などと自供したといいます。【写真で見る】きむらさんが実体験を綴った著書親の再婚相手を子どもが「親」と思わないのは、ある意味当然のこと。こんな理由で子どもが殺される事件は、二度と起きてほしくありません。
■子も実親も再婚相手も悩む
再婚家庭は、いわゆる“ふつう”の初婚家庭とは異なります。特に子どもがいる場合は、親の再婚相手との関係がうまくいかず、子どもも、実親も、再婚相手も、悩んでしまうことが珍しくありません。
そこで今回は、臨床心理士で公認心理師のきむらひとみさん(ペンネーム・30代)にお話を聞かせてもらいました。ひとみさんは、両親の離婚や父子家庭生活、母親とその再婚相手と暮らした経験を、著書『ステップファミリーの子どもとしての私の物語』に記しています。
「お父さん」とは呼べなかった母親の再婚相手のことは、いまでは「ふんわりとだけど、家族」と受け止めていると言う、ひとみさん。どんなことを感じてきたのでしょうか。
ものごころがついた頃には、父親と祖父母と4人暮らしでした。両親が離婚したのは、おそらくひとみさんが2〜3歳のとき。この頃の父親は「いっぱい遊んでくれて、いいお父さん」だった記憶です。
母親とはたびたび会っており、いつも待ち合わせ場所の近くまで、父親が車で送ってくれたそう。父親も祖父母も普段、母親のことについては何も口にしませんでした。悪口も言いません。
母親が再婚したことは、なぜか母親本人からではなく、父親から聞かされました。ひとみさんは当時、小学校の中学年くらい。ショックでしたが、表情には出しませんでした。
「私が母のことをネガティブに話すと、『じゃあもう、母親には会わせない』という話になるかもしれない。今思うと、それが嫌だったから無表情で聞いたのかもしれません。でも心の中はやっぱりショック。『違う道を行き始めたな』という感じですかね」
まもなく、母親から「会ってもいいよね?」と言われ、再婚相手とときどき顔を合わせるように。当時の印象は「ふつうにいい人。悪くはない」。特に親しみも感じませんでしたが、嫌いなわけでもなく、その人のことは「おっちゃん」と呼ぶようになりました。